『殺人犯はそこにいる』との酷似指摘、Amazonドラマ「チェイス」製作会社が謝罪
Amazonプライムのドラマ「チェイス」が、『殺人犯はそこにいる』と酷似しているとし、作者の清水潔氏と版元の新潮社が、製作会社などに対して配信中止を求めていた問題で、製作会社が謝罪文を公表。清水氏と新潮社はこれを受け入れた。
Amazonプライム・ビデオで配信中のドラマ「チェイス」が、ノンフィクション作品『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』と酷似しているとし、作者の清水潔氏と版元の新潮社が、アマゾンジャパンと製作会社のJokerFilmsに対して配信中止を求めていた問題で、JokerFilmsが11月13日、謝罪文を公表した。
新潮社も同日、謝罪文に対するコメントを公開。ドラマの各回末尾に、清水氏の著作を含めた参考文献が追記されたことなどを明らかにし、ドラマの配信再開に異議を唱えないことを明らかにした。
チェイスは、「27年前の連続幼児誘拐殺人事件」をテーマにした連続ドラマ。配信当初から、新潮社が刊行する清水氏のノンフィクション作品『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』との酷似が指摘されていた。
だがJokerFilmsは、「複数の文献などに記載された周知の事実を踏まえて『架空の物語』を創作したものであり、特定の書籍に依拠したものではない」などと釈明するコメントを発表。新潮社は清水氏とともに、アマゾンジャパンとJokerFilmsに対して、配信を中止するよう申し入れていた。
13日に公表した謝罪文でJokerFilmsは、チェイスについて「新潮社から、ストーリー展開・情景描写・具体的なセリフなどに至るまで当該書籍と共通する部分が多数見受けられ、清水氏の著作権を侵害しているとの申し入れを受け、関係者間で協議を重ねた結果、清水氏及び新潮社、事件の遺族への配慮が至らなかった点について謝罪する」と述べた。
新潮社も13日にコメントを発表。JokerFilmsの謝罪を受け入れたことや、ドラマの配信再開に異議を唱えないことを明らかにした。また、ドラマの各回末尾に、清水氏の著作を含めた参考文献・番組一覧、事件被害者と遺族に対する哀悼の意が追加されたほか、実際に起こった事件をモチーフに製作されたドラマであることが追記されたことを説明した。
同社と清水氏はドラマの製作には関わっておらず、「原作使用料などドラマ製作に関する一切の対価を受け取っていない」という。
あわせて公表された清水氏のコメントは以下の通り。
「北関東連続幼女誘拐殺人事件の本質とは無関係な部分で、このような紛争が起き、そして長引くことは望んでおりません。今回は先方が謝罪をし、参考文献・番組が明示され、事件被害者と遺族へ対する哀悼の意がドラマ末尾に追加されたという事実を受け入れる事とします」
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