大激突! Pepper vs パートのおばちゃん “コスパ頂上決戦”:マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!(5/5 ページ)
AI(人工知能)ブームに沸く日本企業。AIとは切っても切れない関係であるヒト型ロボット「Pepper」もブームが落ち着き、活躍の場が減ってきている印象だ。Pepperはいまどこで何をしているのか。マスクド調査隊(1人)が調査した。
Pepperじゃなくてもいい仕事
似た事例として会社の受付をPepperで代替する企業も多々見られました。しかし会社の受付には内線電話が設置されており、あえてPepperを使うのは無駄なコストでしかありません。わざわざPepperのタッチパネルを操作せずとも、訪問する担当者の番号を押せば済むわけです。
「おまえは会社の受付に内線電話があったら、キチッと番号を押してから担当者を呼び出すだろう? 誰だってそーする、おれもそーする」と、兄貴も言っています。もしも受付が二次元のイケメンや美少女キャラなら話は変わりますが、白いプラスチックのロボットに萌えるのは、人類において早すぎる試練なのです。
また、店頭における宣伝や呼び込み、アンケート調査などでPepperを利用する事例もありますが、効果が見えにくいのが実情です。そもそもいなくても困りませんし、費用対効果も明確にできません。
Pepperに話しかけたりタッチパネルを操作する前に、店員を呼べば済む話です。繁忙期のみの助っ人としては高価であり、たまに手伝いに来るけど役に立たないバイト扱いは少々かわいそうです。
結局話題になったものの、Pepperが活躍できたのは、はま寿司くらいでしょう。Pepperは家庭や企業に普及したロボットとして知名度も高く、さまざまな機能を持っていました。しかしながら、コストと活用という面で厳しかったのも事実です。解約する企業が多いのは寂しいですが、Pepperが果たした役割は大きかったと考えます。
ハロウィーンに浮かれる若者たちのように、Pepperに幻想を抱いた企業のおじさんたち。しかしふたを開けてみると、うまく使いこなせたのは一部の企業にとどまったようです。
そして明日公開の後編では、企業におけるAI活用です。ブームに踊らされるおじさん達に明るい未来は訪れるのか!? 量産型ヤラレメカ並にショボいAI導入で終わらせないために、どうするべきかを考えます。
(明日公開の後編に続く)
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