Airbnb公認“民泊向け住宅”都内で分譲 こだわったのは「間取り」
民泊サービス「Airbnb」公認デザインの一戸建て住宅「ORANGE DOOR」が東京・西日暮里に登場。設計を手掛けたオープンハウスが分譲住宅として販売する。
大手民泊サービス「Airbnb」公認デザインの民泊向け一戸建て住宅「ORANGE DOOR」が、東京・西日暮里に2019年に登場する。ホストの居住空間とゲスト向けスペースを仕切り、動線を分けることで両者のプライバシーを確保。設計を担当したオープンハウス(東京都千代田区)が分譲住宅として販売する。価格は土地所有権込みで7389万円(税込)。
ORANGE DOORは、屋上をバルコニーとして使える3階建ての一軒家。こだわったのは、民泊向けに特化した「間取り」だ。ゲスト用とホスト用の玄関を別に設け、ゲスト用玄関からは、トランクをすぐクローゼットに入れられるように。クローゼットは畳敷きのゲストルームからも開閉でき、畳の上を引きずることなく荷物を動かせる。
ゲストルームの隣には、ゲスト用のシャワールームとトイレが。ゲスト用シャワールームはホスト用バスルームと鍵付きのドアで隣接しており、ゲスト不在時には一続きの広いバスルームにすることもできる。「水回りの共有は抵抗感のあるホストも多いので、プライベートを確保できる形にした」と、企画を手掛けたオレンジ・アンド・パートナーズの軽部政治副社長は話す。
2階は約19畳のリビングダイニングキッチン。ゲストとホストがともに食事や会話を楽しめるよう、対面型のアイランドキッチンを設けた。3階はホストの居住空間。バルコニーに上がろうとするゲストが勝手に立ち入ることがないよう、鍵付きのドアで仕切れるようになっている。
Airbnbの協力のもと、オレンジ・アンド・パートナーズが企画し、オープンハウスが設計を手掛けた。3社は6月にホームシェア向け住宅の共同開発を発表しており、今回はその第1弾。JR西日暮里駅から約10分の土地(荒川区)に、2019年5月中旬に竣工する予定だ。
オレンジ・アンド・パートナーズの軽部副社長は「ただ宿泊するだけでなく、旅で最も重要な『人との交流』を最大限生かせる住宅を考えた。快適なわが家で、ストレスを感じることなくおもてなしができる」と話す。
Airbnb Japanの田邉泰之代表取締役も「ホームシェアリングの楽しみは、地元に暮らしているかのような体験ができること。地元の人を通じて地域をディープに知ることで『また来たくなる』、再訪したらまた別の視点で地域を知る……というサイクルを回せれば」と、ORANGE DOORに期待を寄せる。3社は今後、第2弾以降の物件も検討するという。
貸し出し前提の家は「民泊」範囲内?
ゲストを宿泊させることを前提とした民泊向け住宅は、ホテルや旅館と何が違うのか。2018年6月施行の住宅宿泊事業法(民泊新法)では、民泊事業者(ホスト)に対し、民泊サービスの年間提供日数を最大180日(泊)までとすることなどを定めている。
軽部副社長は「自宅として購入するものなので、ベースにあるのはホストが快適に暮らすこと」と、あくまで主用途はホストの自宅である点を強調。「少し変わった形の二世帯住宅としても利用できる」と説明する。
オープンハウスの鎌田和彦副社長も オープンハウスの鎌田和彦副社長も「法的な視点や各区の民泊への姿勢も考慮して場所を選んだ」と話している。ORANGE DOORは、年に最大115日ほど民泊に利用できるという。
【編集履歴:2018年12月7日12時40分 オープンハウスから、民泊に利用できる日数に誤りがあったとの連絡を受け、日数の記載を「180日」から「最大115日ほど」に変更しました】
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