立体じゃないのに立体的 JDIの縦型動画プレーヤー「ミオン」、春にクラウドファンディングを実施
JDIが据え置き型の縦型動画プレーヤー「XLP-01 MiOn」(ミオン)を発表した。映し出された人物が背景から浮き上がって見える不思議なディスプレイ。そのヒミツとは?
ジャパンディスプレイ(JDI)は12月4日、据え置き型の動画プレーヤー「XLP-01 MiOn」(ミオン)を発表した。ミオンは、映し出された人物が背景から浮き上がって見える不思議なディスプレイ。2019年春をめどにクラウドファンディングを実施する。
ミオンを手掛けたのは、裸眼立体視ディスプレイ「ライトフィールドディスプレイ」と同じ開発チーム。ライトフィールドディスプレイのブラッシュアップを進める中で、「最近、ネット上で増えている縦型動画(スマートフォン視聴向けの縦長動画)の視聴デバイスがスマホ以外にないことに気づいた」(JDI、マーケティング・イノベーション&コミュニケーション戦略統括部の山本尚弘課長)という。
ミオンに映る人物が立体的に見える仕組みは、透過型の液晶パネルと奥行きのある「ボックス型光源」を組み合わせたこと。背景のように見えているのは、実は液晶パネルを通して見えているボックス型光源の内側だ。つまり、本当に奥行きのある背景に人物と影を重ねたアナログ的な手法により、低コストで奥行き感のある映像を作り出した。人物の影は、ちょうど床に見える部分に表示されるようにコンテンツ側で調整した。
本体下部にはステレオスピーカーを搭載。音楽に合わせてLED光源の明滅させ、CGエフェクトが連動するといった演出も加え、「リアルなライブパフォーマンスを体験できる」という。「コンテンツは専用になるため、ミオンの発売時には配信サービスを提供する方針。スマホからの操作でローカルストレージにコンテンツをダウンロードする。また制作用のソフトウェアをオープンライセンスとしてクリエイターに提供し、コンテンツ作成を促す」としている。
一方のライトフィールドディスプレイについては、「今のままではターゲットとしたユーザー層に受け入れられない」と判断。発表後に寄せられたフィードバックを反映するために改良を進めているという。「画質やシステム面を見直し、19年中の発売を目指す」(山本氏)
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