漫画をYouTube動画に自動変換、セリフも自動翻訳「C-Tube」 「ラブひな」などで実験
「マンガ図書館Z」で配信している漫画を自動でYouTube動画に変換し、YouTubeの字幕機能を使って各国語に翻訳して表示することで、世界の漫画ファンに読んでもらおうという試み「C-Tube」の実験が始まった。
絶版漫画の無料配信サイト「マンガ図書館Z」を運営するJコミックテラス(会長:漫画家の赤松健氏)はこのほど、「マンガ図書館Z」で配信している漫画を自動でYouTube動画に変換し、YouTubeの字幕機能を使って各国語に翻訳して表示することで、世界の漫画ファンに読んでもらおうという試み「C-Tube」の公開実験を始めた。
YouTubeには、著作者に無関係な第三者が漫画を動画化してアップした違法な「動画化漫画」が多数あり、問題になっている。中でも、ボーイズラブ(BL)漫画の閲覧数は多く、赤松さんは「恐らく、儲かるか、もしくは反響が大きくて面白いのでしょう」と推測。「じゃあこれを公式が合法的にやってみよう!」と発想し、「C-Tube」を始めることにしたという。
マンガ図書館Zに収録されて全作品について、作者がマイページから「C-Tubeボタン」を押すだけで自動的に動画化漫画に変換。セリフを文字列化したテキストファイルも、ページ送り速度に合わせた字幕ファイルに変換される。作者は、動画化漫画ファイルとセリフテキストファイルをYouTubeにアップロードし、BGMを選んで世界に公開できる。
まず第1次テストとして、少年漫画の「ラブひな」と、BL漫画の「恋コロリン♪」(和田繭子作)、「君が本当に好きでした」(乙吉作)、「お手柔らかに花吹くん」(乙吉作)の4作品を、「マンガ図書館Z」のYouTubeチャンネルで公開。チャンネル登録や閲覧実験、セリフの修正実験などに参加してもらうよう呼び掛けている。チャンネル登録が1000を超えるとYouTubeから広告収益が得られるため、作者に収益をシェアできるようになるという。
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