Facebookユーザーの74%は「あなたの情報カテゴリ」の存在すら知らない──米調査結果
米国在住の963人のFacebookユーザーを対象とした調査結果によると、ユーザーの74%はFacebookがユーザーが提供している個人情報に基づいてカテゴライズしていることを知らなかった。回答者の半数以上がカテゴライズされていることを「居心地が悪い」と答えた。
非営利調査機関の米Pew Research Centerは1月16日(現地時間)、米国在住の18歳以上のFacebookユーザーの意識調査の結果を報告した。調査対象者の74%は、米Facebookが提供している「広告設定」ページの「あなたの情報」−「カテゴリ」の存在すら知らなかったことが分かった。
Facebookは機会あるごとに、ユーザーに対して個人情報をどう広告に利用しているかについての透明性を強化していると説明しているが、ユーザーにはそれが十分に届いていないようだ。
広告設定ページでは、ユーザーが自分で設定あるいは「いいね!」した履歴などからFacebookのアルゴリズムがパーソナライズしたユーザーの「趣味・関心」や、自分のニュースフィードで表示する広告で自分の履歴を利用するかどうかを設定する「広告設定」などを確認できる。
このページの「あなたの情報」の「カテゴリ」タブにはユーザーの履歴や「その他のアクティビティに関する情報」に基づいてFacebookのアルゴリズムがユーザーをカテゴライズした結果が表示される。このカテゴリについての質問で、自分についてのカテゴライズが正確だと答えたのは59%、正確ではないと答えたのは27%だった。勝手にカテゴライズされていることについて、半数以上(51%)が「居心地が悪い」と答えた。
カテゴリに「US politics」が含まれていたのは回答者の51%だった。このカテゴリはさらに、リベラルか中立かコンサバかに分かれており、このカテゴリが表示されたユーザーの73%が非常に正確あるいはほぼ正確だと答えた。
米国では2016年の米大統領選で、Facebook上の政治的なフェイク情報が選挙結果に影響したとされている。特定の政治カテゴリのユーザーにターゲティングした政治広告を見せれば、「フィルターバブル」の膜を強化できそうだ。
この調査は、昨年9月4日〜10月1日に963人の米国在住のFacebookユーザーを対象に行われた。詳細はこちらのPDFで読むことができる。
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