人の手の動きを再現した「AIマッサージチェア」、フジ医療器が開発
フジ医療器がマッサージチェアの新しいフラグシップモデル「AS-2000」を発表した。コンセプトはマッサージ師の施術プロセスをAI(人工知能)で再現すること。制御回路を一新した。
健康器具メーカーのフジ医療器(大阪市)は1月23日、マッサージチェア「サイバーリラックス」シリーズの新しいフラグシップモデル「AS-2000」を発表した。同日から全国の家電量販店などで販売する。価格はオープン。店頭では57万円前後(税込)になる見込みだ。
同社マッサージ機器事業部の大出健太郎氏(マッサージ機企画担当ユニット長)は、「コンセプトはマッサージ師の施術プロセスをAI(人工知能)で再現すること。機械の動きを人の動きに変換するという視点で再設計した」と胸を張る。機械学習などの手法は採用していないが、制御回路を一新した。
大出氏によると、従来機はメイン制御回路が各モーターを直接コントロールしていたが、今回はメカユニットの中にもう1つの制御基板を設け、モーターにかかる負荷情報をリアルタイムで動作に反映させるという。「メイン基板がセンシングで読み取った体型情報に、2つ目の制御基板で得た負荷情報を合わせ、包括的にモーターの動きをコントロールする。これにより利用者の体重に関わらず安定した“圧”を加えられる他、もみ玉が動く時間を調節し、人の手に近いメリハリのあるもみ方ができる」(大出氏)
新開発のブラシレスモーターはトルク重視の設計で、動き出しや動きを止めるときにゆっくり動作する「スロースタート/スローストップ制御」をプラス。「カクカク感がなくなり、滑らかに感じられる」という。同社はこれをマッサージの5つの要素になぞらえ、「5D-AIメカ」と名付けた。
自動コースは部位ごとの専用モースを含め35種類。マッサージチェアを寝室に置くケースが多いことから、動作音を抑えながらストレッチをメインに行う30分間の「ナイトヒーリングコース」を新たに設けた。忙しい人のために7分間の短縮コースも用意している。
マッサージチェア市場では年々高付加価値化が進み、30万円を超える高級機の金額構成比が上がっているという。一方でファミリーイナダがネットワーク接続機能を持つ「IoTマッサージチェア」を投入するなど付加価値も多様化した。フジ医療器では「AS-2000はネットワーク機能を持たないが、将来の機種では利用者の体の状態をクラウド上に蓄積し、健康増進に役立てるサービスの提供なども検討している」としてIoT化にも前向きな姿勢を示した。
関連記事
- シャア専用IoTマッサージチェア、ファミリーイナダが発売
マッサージチェア大手のファミリーイナダがAIとIoTを活用する高級マッサージチェア「LUPINUS ROBO」(ルピナスロボ)の新製品を発表した。「働き盛りの40代」になったガンダム世代の取り込みを狙い、赤いシャア専用モデルを用意する。 - Google Homeの家電連携で“未来”に浸る
スマスピ連載4回目は、「Google Home」を使った家電操作がテーマ。Googleの「Chromecast」を接続したテレビとフィリップスのLED照明「Hue」を試した。 - 2015年、コレ買いました――疲れ気味おっさん記者の場合
各分野の専門家が、実際に長く使ってみて「良かった!」あるいは「ちょっとね〜」というものを取り上げる年末企画。第2回はLifestyle編集部のS記者です。しかし、今回はなにやら年齢を感じさせるモノが多いようで……。 - インテリアにマッチするロースタイル、Bluetoothスピーカーも内蔵したマッサージチェアが登場
フジ医療器は、座面や背もたれが低い“ロースタイル”のマッサージチェア「AS-LS1」を発表した。Bluetooth対応の2.1chスピーカーを内蔵し、音楽を聴きながらリラックスできる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.