AIカメラが「未成年」判別、居酒屋で実験 精度は96%超
AI搭載カメラで、居酒屋の来店客が未成年かどうかを検知する――こんな実験の結果が発表された。検知率は96%を超えたという。
AI(人工知能)搭載カメラで、来店客が未成年かどうかを検知する――業務システムのクラウドサービスを展開するチャオ(東京都港区)は1月21日、養老乃瀧が展開する居酒屋「一軒め酒場 新橋店」で実施した実証実験の結果を発表した。未成年者の検知率は96.1%だったという。
実験では、AI搭載のクラウドカメラ「Ciao Camera」を使用。店員による確認漏れが多かったという来店者の年齢確認をAIを使って行い、未成年者へのアルコール提供を未然に防ぐことを目指した。
実験の第1段階として、ディープラーニングを使った画像認識サービス「Amazon Rekognition Image」の顔認識機能を活用した。AIがカメラ画像から人物の顔を識別し、年齢結果を推定。未成年と思われる場合は店員に通知する。入店する数秒の間に来店者の顔画像を複数枚撮影したが、画質や顔の角度で誤検知もあったという。検知率は90.7%にとどまった。
次に、精度向上と通知までの時間を短縮するため、チャオは未成年かもしれない「要年齢確認者」を判別する独自の識別エンジンを構築。AIの判別結果を人間で精査し、AIに学習させることでモデルを作成した。大量のデータをAIが学習し続けることで精度を改善し、96.1%の精度で未成年を検知できるようになったという。年齢確認は身分証明書で行った。
実験期間は2018年7月下旬〜10月末。被験者は約5万8000人。
チャオは「年齢認証のさらなる精度向上を目指し、これらの技術を活用できるフィールドを広げたい」としている。
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