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空港で旅客の顔をカメラで追跡、乗り遅れを防止 デンソーなど実用化へ
顔認証で、空港の保安検査場入り口以降のエリアにいる旅客の位置情報を特定。乗り遅れなどを防ぐシステムをデンソーウェーブらが開発。早期の実用化を目指す。
デンソーウェーブ、埼玉大学、日本信号、NECは1月29日、空港で搭乗チェックインを済ませた旅客の位置情報を、空港内に設置した顔認証付きカメラで特定し、乗り遅れなどを防ぐシステムを開発したと発表した。実証実験を通じて早期の実用化を目指す。
新開発の手荷物自動預け機や搭乗ゲートで撮影した旅客の顔データを、預け入れ手荷物に取り付けた電子タグ、搭乗券、パスポートなどの情報とひも付ける。保安検査場入り口以降のエリアに設置した複数台のカメラで人物の顔を読み取り、必要なときに旅客がいる場所や通過したエリアを特定する。
これにより、出発時刻になってもゲートに現れない未搭乗者をいち早く発見して案内する。搭乗が間に合わないと判断した旅客の預け入れ荷物は、電子タグやあらかじめ撮影した荷物の写真を活用して素早く探し出し、航空機から降ろす。
旅客が自身で荷物を預け入れられる「Self Bag Drop機(手荷物自動預け機)」(左)。顔認証機能を備えるセキュリティゲート「セキュリティー対応型E-ゲート」。手荷物自動預け機を使わなかった旅客は顔をこの時点で登録する(右)
旅客が定められた時刻までに搭乗しなかったことによる15分以上の出発遅延は、国内線・国際線を合わせた年間約150万便のうち5万便にも上る(2015年、国土交通省航空局調べ)。遅れた時間を回復するために航空機の飛行高度や飛行速度を変更するなど、燃料の余分な消費が発生している。
デンソーウェーブなどは、この仕組みで燃料の省エネ化や手続き作業の自動化による人員の省力化につなげるのが狙い。昨年12月に中部国際空港(愛知県常滑市)で行った実証実験を皮切りに、実験規模を拡大してさらなる改善を行う。
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