Facebook、スキャンダルにもかかわらず過去最高の増収増益
Facebookの2018年10〜12月期決算は、多数のスキャンダルにもかかわらず過去最高の増収増益だった。DAUは北米と欧州を含むすべての地域で増加し、InstagramやWhatsAppを含む“Facebookファミリー”全体のMAUは27億人だった。
米Facebookが1月30日(現地時間)に発表した2018年第4四半期(10〜12月)の決算は、売上高は前年同期比30%増の169億1400万ドル、純利益は61%増の68億8200万ドル(1株当たり2.38ドル)と、四半期として過去最高を更新した。営業利益率は前年同期比11ポイント減、前期比4ポイント増の46%。
売上高、1株当たり純利益ともに、アナリスト予測(売上高は163億9000万ドル、純利益は1株当たり2.18ドル)を大幅に上回った。
プライバシー問題などの一連のスキャンダルにもかかわらず、傘下のInstagramを含むサービスでの広告収入が好調だった。Instagramユーザーの約半数に当たる10億人が、Instagramのストーリーを使っている。200万の広告主が、InstagramおよびFacebookのストーリー広告を購入している。
純利益の大幅増は、同四半期に雇用を抑えたことが奏功したようだ。従業員数は前期比5%増の3万5587人だった。
スキャンダルの影響で2四半期連続停滞していたMAU(月間アクティブユーザー数)も復調し、9%増の23億2000万人だった。北米のMAUは横ばいだったが、欧州を含むその他の地域ではすべて増加しており、特にアジア太平洋地域は14%増とペースが落ちていない。
DAU(日間アクティブユーザー数)は前年同期比9%、前期比2%増の15億2300万人。米国を含むすべての地域で増加した。
FacebookはFacebook、Instagram、WhatsApp、Facebook Messengerをまとめて「サービスのファミリー」と呼び、ファミリー全体のMAUは約27億人だと発表した。DAUは20億人以上という。
業績発表後の電話会見で、New York Timesが報じたファミリー統合計画についての質問に対し、マーク・ザッカーバーグCEOは、その計画の存在を認めた上で、この取り組みは利益のためではなく、ユーザー体験向上のためのものだと説明した。例えば、マーケットプレイスを使う小売企業はFacebook Messengerでユーザーと交流するが、WhatsAppが主なメッセージングツールになっている国ではWhatsAppを使えるようにする。ザッカーバーグ氏は、この統合には時間がかかり、2020年になるかもしれないと語った。
マーク・ザッカーバーグCEOは発表文で、「最大の社会問題に焦点を合わせるために運営方法を根本的に変更し、人々がつながるための新しい方法を構築するためにより多くを投資している」と語った。
業績発表の直前に、Facebookが米Appleの規約に違反するアプリを使ってユーザーの個人データを買い取っていたという報道があったが、電話会見ではそのことについて触れられなかった。
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