Apple、Facebookに続けてGoogleのβアプリも規約違反でApp Storeから削除
Appleが、Facebookの「Enterprise Developer Program」で稼働するすべてのアプリをApp Storeから削除したことに続けて、Googleの同様のアプリも削除した。iOS版の「Googleマップ」や「ハングアウト」のベータ版テスターアプリはアップデートできなくなった。
米Appleが、米Facebookの「Facebook Research」アプリなどに続けて、米Googleの一部のiOSアプリの企業証明書を停止したと米The Vergeが1月31日(現地時間)、この件に詳しい情報筋の話として報じた。
Appleは30日、FacebookがFacebook ResearchというiOSアプリでユーザーデータを収集しているという米TechCrunchの報道を受け、このアプリはAppleの「Enterprise Developer Program」を本来の目的と異なる使い方をしており、規約違反だとして、このアプリだけでなく、Enterprise Developer Programの本来の使い方に沿ったFacebookの社内テスト用アプリも停止した。
この報道の後、Googleは2012年に公開したFacebook Researchと同様の、有償(Facebookと異なり、こちらはギフトカード)で行動履歴を収集するアプリ「Screenwise Meter」を自主的にApp Storeから削除した。Googleはその際、「Screenwise MeterのiOS版はAppleのEnterprise Developer Programの下で稼働していたが、これは間違いだった。謝罪する」という声明文を発表した。このアプリは完全に任意であり、(Facebook Researchとは異なり)暗号化されたデータにはアクセスせず、いつでもオプトアウトできるようにしているとも説明した。
同アプリはGoogleの規約には違反していないので、Android版は今でも公開されている。
その後にAppleがGoogleの企業証明書を停止したことにより、「Googleマップ」「ハングアウト」「Gmail」などを含むすべてのβ版と、Googleが社内向けに提供していたEnterprise Developer Program準拠のiOSアプリが使えなくなっていた。
GoogleはThe Vergeなどに対し「われわれはAppleと協力し、いくつかのiOS版社内アプリの一時的な混乱を修正している」という声明文を送った。少なくともEnterprise Developer Programに違反していない社内アプリは復活させたい考えだろう。
【UPDATE】Googleは同日中にAppleが証明書の停止を解除したと米TechCrunchなどにコメントした。
【訂正履歴:2019年2月1日午前1時0分 Appleが証明書停止を解除したことを追加しました。また、当初ユーザー向けβ版としていたのは社内向けβ版のことだと確認し、修正しました。】
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