金利が上がるといろんな資産が下落する。その時何に投資する?:渋谷豊の投資の教室(2/3 ページ)
経済の状況が悪いと金利が下がります。しかし、金利が低いということは債券価格は上がりますし、会社もお金を借りやすくなって株価が上昇するかもしれません。逆に、金利が上がってくると、いろいろな資産の価格が下がる方向に働きます。そんなとき、何に投資したらいいのでしょうか?
サイトウ: インフレが続いているようなら、しばらく我慢してもらうかな。
渋谷: でも、株が下がって不動産も下がったらインフレは続きますか? 持っていた株の価値が下がって100万円が70万円になったら飲み会に行きます? 家に帰って晩酌にしますよね。今年の夏は海外旅行ではなく会社の保養所にしようかとなりますようね。どんどん使うおカネを減らすんですよ。そうすると景気は悪くなる一方です。自分の買った5000万円のマンションが3000万円に評価が下がったと言われ、「やったー!」という人はいませんよね。だれだって気持ちが凹みます。
そうすると短期的には景気が悪くなるんです。そうしたらどうします?
サイトウ: どこかで金利を下げなくちゃいけないですね。
渋谷: そう。つまり、金利が上がって株や不動産が下がったときに投資家は、「サイトウ総裁はいずれ金利を下げるな」と思うわけです。金利が下がるときにもうかるものはなんでしょう?
サイトウ: 債券?
渋谷: そうです。金利が上がって株価が下がり始めたら、債券にお金を移して債券の値上がりを狙いにいくんです。債券が値上がりする、つまり金利が下がったら、今度は不動産と株が底を打つんです。そのタイミングで、債券を売って株と不動産を買います。
株が下がっている局面は債券でもうけて、株と不動産が上がる局面では債券を売って株でもうけることを考える。すべて金利にヒントがあります。
投資は、リスクが大事だとか資金管理が大事だとか言ってきましたが、金利も大事なんです。
サイトウ: 金利が下がると最初に反応するのは債券で、その後株や不動産なんですか?
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