「誰が頼んだ」違法ダウンロード対象拡大、人気漫画家も懸念
文化審議会で、違法ダウンロード対象拡大の方針が了承されたと朝日新聞が報道。このニュースを受け、違法ダウンロードの被害者であるはずの人気漫画家からも異論が出ている。
違法にアップロードされたことを知りながらコンテンツをダウンロードする行為が違法とされる範囲を、漫画などに広げる方針が2月13日、文化庁の審議会で了承されたと朝日新聞が報じた。このニュースはネットで注目を集め、13日午後2時半現在、「著作権侵害」など関連ワードがTwitterトレンドに。「ネットの利用を萎縮させる」「やり過ぎでは」など反対意見のツイートも多く、違法ダウンロードの被害者であるはずの人気漫画家からも異論が出ている。
映画・音楽の著作物については、違法にアップロードされたことを知りながらダウンロードした場合、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金を科す(親告罪)いわゆる“ダウンロード違法化”が2012年に始まった。漫画(静止画)やテキストは「影響範囲が大きすぎる」などとして対象外だったが、「漫画村」など海賊版漫画サイトの被害が大きくなる中、出版社などコンテンツ業界は政府に対して、静止画ダウンロード違法化の検討を求めており、文化審議会で審議されていた。
朝日新聞の報道によると13日、文化審議会著作権分科会で、ダウンロード違法化の対象が、漫画、小説、雑誌、写真、論文、コンピュータープログラムなどあらゆるネット上のコンテンツに拡大されることが了承されたという。スクリーンショットもダウンロードの一種として対象に含まれると記事では説明。ただ、刑事罰の対象範囲については、原作を丸ごと複製するなどの悪質性の高い行為に絞り込む方針で調整するという。
このニュースを受け、漫画海賊版の被害者であるはずの漫画家からも異論が出ている。『のだめカンタービレ』などで知られる二ノ宮知子さんは、「誰が頼んだよ、こんなの…。」とツイート。『ラブひな』の赤松健さんは、「このままだとネットが『嫌がらせ天国」になる。気に入らない相手や好きな異性に「お前コレ違法なんだぜ〜!逮捕だ逮捕w』ってやつだ」と述べた上で、「具体的な法文が出てこないと、弁護士さんも正確な解説ができない」とし、ネットメディアに対して記事化を打診している。
違法ダウンロードの対象範囲拡大をめぐっては、漫画の研究者や漫画家でつくる日本マンガ学会(会長・漫画家の竹宮恵子氏)なども反対声明を出している。
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