日本漫画家協会、「ダウンロード違法化」見直し求める声明発表 「丁寧で十分な審議を要望する」
日本漫画家協会が2月27日に、ダウンロード違法化の対象範囲を拡大する著作権法改正案について見直しを求める声明を発表した。
日本の漫画家で構成する日本漫画家協会(会長・ちばてつや氏)は2月27日、ダウンロード違法化の対象範囲を拡大する著作権法改正案について、「表現や研究などの萎縮はもとより、人権の制約につながることが決してないように、丁寧で十全な審議を要望する」と、見直しを求める声明を発表した。
同協会は、著作権法改正を漫画の海賊版サイトなど、日本の現行法では取り締まれない「脱法サイト」への対策であると捉え、改正措置の改善を提案。民事的規制と刑事罰のいずれについても、繰り返し複製を行う反復行為を対象とすること(こちらは刑事罰のみ)、原作漫画などを丸ごと複製する行為を対象とすること、これらは権利者の利益が不当に害される場合に限定することの3点を提言している。
違法にアップロードされたことを知りながら、コンテンツを私的にダウンロードする行為を著作権法違反とする範囲を、漫画や論文など著作物一般に拡大する政府方針について、有識者からは「漫画村のようなストリーミング方式のサイトには効果がない」「漫画などの研究や創作を阻害するおそれがある」といった批判の声が上がっていた。
今年1月には、漫画研究者などがつくる日本マンガ学会が反対声明を発表した他、2月8日には漫画家の竹宮惠子さん、赤松健さんなどが集会を開き、懸念を表明。19日には法学者や弁護士など84人と1団体が連名で「慎重な議論を重ねることが必要」とする緊急声明を発表している。
一方、新聞各社などの報道によれば、自民党は著作権法改正案について22日の合同会議で了承。国会に提出し、成立を目指す方針という。
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