Amazon.com、機械学習採用のコピー品検出・削除ツールをブランドに与える「Project Zero」
Amazon.comが、ブランドコピー(偽ブランド品)撲滅を目指す「Project Zero」を米国で開始した。参加ブランドに機械学習ツールを無料で提供し、セルフサービスで自社ブランドのコピーをAmazonから削除させる。削除データはAmazonのツール強化に利用する。
米Amazon.comは2月28日(現地時間)、Amazonでの偽ブランド品(ブランドコピー)撲滅を目指す「Project Zero」を発表した。参加ブランドは、与えられた機械学習ツールで偽物を検出し、Amazonに報告せずに削除できる。まずは米国で、招待制で開始した。
Amazonには現在、偽物をAmazonに報告し、Amazonが確認の後に削除するサービス「Aazon Brand Registry(日本では「Amazonブランド登録」)」があるが、報告から削除まである程度時間がかかる。Project Zero参加ブランドであれば、発見し次第削除可能だ。
参加は無料だが、正確を期すためにAmazonによるトレーニングが義務付けられている。
Amazonは自社開発の機械学習ツールで1日当たり50億点以上の商品をスキャンし、偽物を削除している。このツールは、Amazonブランド登録に登録された商標データで学習している。Project Zero参加ブランドによる偽物削除も学習データになり、Amazonのツール強化に使われる。
Project Zeroには有料の「Product Serialiation」オプションもある。これは、Amazonで販売する商品1点ずつに一意のシリアル番号をつけることで、より厳格に偽物を排除するというもの。こちらは1点当たり0.01〜0.05ドルのコストが発生する。
関連記事
- Amazon.co.jpの全商品にポイント1%付与へ 5月23日から
Amazon.co.jpで、全商品に5月23日から、1%のAmazonポイントが付与される。Amazon直販商品、出品者からの商品すべてが対象という。出品商品のポイント費用は出品者の負担になるとあり、出品者の間で衝撃が走っている。 - Amazon、AWSでのオンライン「機械学習大学」を無料で開講
Amazonが社内エンジニア向けに提供している機械学習の講座を、AWSトレーニングの1つとして公開する。45時間以上のオンライン講座を無料で受講でき、AWS認定(こちらは有料)テストも受けられる。 - 画像でDNA判定? 高級ブランド品の真贋判定でAI戦国時代を勝ち抜くには
- 画像認識サービス「Amazon Rekognition」、リアルタイムの顔認識が可能に
AWSのAIサービス「Amazon AI」のディープラーニング採用の画像認識サービス「Amazon Rekognition」がアップデートし、リアルタイムの顔認識やテキスト抽出機能が追加された。 - ブランド品専用フリマアプリ「メルカリメゾンズ」登場 自動で査定 機械学習でブランド判別も
ブランド品の出品・購入に特化したスマートフォンアプリ「メルカリ メゾンズ」(iOS/Android対応)が登場した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.