「何回閉じても無駄ですよ〜」ブラクラURLを掲示板に貼っただけで補導、「やり過ぎ」と物議
「何回閉じても無駄ですよ〜」と書かれたポップアップが繰り返し表示されるサイトのURLを掲示板に書き込んだとして、13歳の女子中学生が補導。「ブラクラのURLを貼っただけで補導や家宅捜索とは、行き過ぎだ」とネットで物議をかもしている。
アクセスすると「何回閉じても無駄ですよ〜」と書かれたポップアップが繰り返し表示されるサイトのURLを掲示板に書き込んだ不正指令電磁的記録供用未遂の疑いで、13歳の女子中学生が兵庫県警に補導され、39歳の男性と47歳の男性がそれぞれ家宅捜索を受けたと、NHKニュースやSANSPO.COMなどが3月4日に伝えた。このニュースは、「ブラクラのURLを貼っただけで補導や家宅捜索とは、行き過ぎだ」とネットで物議をかもしている。
報道によると、この3人が貼り付けたURLは、アクセスすると、「何回閉じても無駄ですよ〜」という文字や、顔文字などが表示され続けるという。ネットでは、「このサイトではないか」と具体的なURLを指摘する声もある。
実際にそのURLをクリックすると、猫がパンチを繰り出しているアスキーアート(AA)と、「何回閉じでも無駄ですよ〜ww」の文字などがダイアログで表示される。このダイアログはブラウザの「OK」や「閉じる」ボタンを押しても消えないが、タブを閉じてしまえば消えるため実害はほとんどない。
このURLは、2014年ごろから掲示板やLINE、Twitterなどに繰り返し投稿されている有名ないたずらページだ。掲示板などでは、「超感動した」「これ面白いよ」といった誘導文言とともに投稿されるケースが多い。14年ごろには、いたずら目的でこのURLを貼ることが大流行していたようで、踏んでしまった場合の対策を説明したサイトも多数出ていた。
今回、このURLを貼っただけで補導や家宅捜索を受けたという報道に、ネットでは、「いたずら目的で実害もないのに、警察はやり過ぎだ」「犯罪とは思えない」といった批判が相次いでいる。また、このURLのプログラム自体は極めてシンプルで、JavaScriptの基本機能を使えば簡単に書けるもの。「これが不正プログラムになるなら、閉じようとしても消えない広告も不正プログラムでは」といった声も出ている。
関連記事
- Twitterでブラクラ拡散 iPhoneにも影響
トレンドマイクロは、TwitterでブラウザクラッシャーのURLが拡散していると注意を呼びかけている。 - 「マイニングツールを明示せずに設置、犯罪になる可能性」 警察庁の注意喚起、ネット上で波紋
警察庁は、Webサイト運営者が閲覧者に対し、マイニングツールを設置していることを明示せずに設置した場合、犯罪になる可能性があるとの注意喚起を出した。マイニングツールが、刑法が定める「ウイルス」にあたるのか、ネット上で波紋を呼んでいる。 - JavaScript実行時、「閲覧者の了解をいちいち得る」ページ登場 「Coinhiveより嫌」「悪夢」と話題
閲覧者に無断でCoinhiveを設置したサイト運営者が摘発され物議をかもす中、すべてのJavaScriptについて、閲覧者に許可を取るには――そんな発想で作られたデモページが公開された。スクリプトの実行のオンオフをいちいち選ぶのが面倒で、「悪夢だ」と話題になっている。 - Coinhive設置で家宅捜索受けたデザイナー、経緯をブログ公開 「他の人に同じ経験して欲しくない」
「Coinhive」を設置した複数のサイト運営者が、ウイルス供用などの容疑で摘発されている。摘発された1人・デザイナーの「モロ」さんが、詳しい経緯をブログで解説し、大きな反響が集まっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.