初期費用0円・2年契約なし、アプリで契約完了 “旅するように”引っ越せる賃貸「OYO LIFE」スタート(1/2 ページ)
初期費用が不要で家具・家電付き物件に住める賃貸住宅サービス「OYO LIFE」がスタート。通常2年の契約期間も廃し、“旅するように”部屋を住み替えられる点が特徴。その仕組みとは――。
インドのホテルベンチャーOYOとヤフーが設立した合弁会社OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN(東京都千代田区)は3月28日、スマートフォンアプリで契約を完了できる賃貸住宅サービス「OYO LIFE」をスタートした。初期費用や一般的な賃貸に多い2年の契約期間もなく、主に1カ月〜90日のショートステイを想定。仕事、私生活、心境の変化に応じて“旅するように”部屋を住み替えられる点が特徴だ。
初期費用なし、スマホ1つで契約
利用方法は(1)アプリまたはWebサイトで住みたい地域を検索する、(2)ヒットした物件の写真を見る、(3)クレジットカード情報などを登録し、オンラインで契約する、(4)入居日・退去日を入力する、(5)入居日(契約当日〜翌日から可能)に引っ越す――の5ステップ。
室内には洗濯機、冷蔵庫、掃除機、テーブル、テレビ、電子レンジ、エアコン、Wi-Fi環境などを完備。最低限の荷物で引っ越せる。物件を気に入った場合は、書面で定期借家契約を結び、年単位にわたって住める。
このサービスで契約できる物件の種類と家賃は、シェアハウスタイプが5〜8万円、マンションタイプが10〜100万円、一軒家タイプが30〜100万円(共益費・清掃費は含まない)。すでに首都圏の“駅近”を中心に1000室以上の物件が利用可能で、今後さらに対象エリアと物件を拡充する計画だ。
2月のサービス発表後に1万3000人超の事前登録者が集まり、現時点で1008件の契約が決まっているという。
日本では物件を借りる際、仲介会社の実店舗を訪れて内見したり契約書を書いたりするのが一般的だ。家具を捨てたり買い直したりする手間や、敷金、礼金、仲介手数料などの費用も発生するが、OYO LIFEはこうした消費者の負担をなくすことで、既存の賃貸サービスとの差別化を図るのが狙い。
インドのホテルベンチャーOYOのCEOは25歳
弱冠19歳でOYOを創業したリテシュ・アガルワルCEOは「若者を中心にライフスタイルが変わり、家や家具を所有しないという価値観が広がっている。夢のある素晴らしい生活を提供したい」と意気込む。
OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPANの勝瀬博則CEOも「(従来の賃貸契約は)住みたい所に住みたいという気持ちを阻害している。(OYO LIFEによって)これを解消したい」と強調する。
OYOが日本に着目した理由には、ソフトバンクのファンド(SVF:Softbank Vision Fund)から出資を受けている点や、OYOがアジアに特化した不動産ビジネスを展開している点が挙げられるという。ただ、同社がOYO LIFEを提供するのは日本が初めて。今後の実績を踏まえながら他のアジア地域や欧米へと進出する計画だ。
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