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LIXILのIoT宅配ボックス実証実験 再配達依頼のストレスも検証
LIXILがIoT宅配ボックスの実証実験でモニター調査を開始。再配達を依頼する際の手間やストレスについて、効果を検証するという。
住設機器大手のLIXIL(東京都江東区)は4月23日、東京都の江東区と江戸川区で進めているIoT宅配ボックスの実証実験で、5月1日にモニター調査を開始すると発表した。夏頃に中間結果を、2020年春頃に最終結果を発表するとしている。
設置を進めている宅配ボックスは、同社が昨年秋に発売した「スマート宅配ポストTB」。スマートフォンで荷受け通知を受け取れる他、宅配ボックスに内蔵されたカメラやマイクを使い、宅配業者と会話をしながらボックスをリモート解錠できるといった特徴がある。
今回は江東区と江戸川区の戸建て住宅、約100世帯にスマート宅配ポストを無償で設置し、再配達の削減によるCO2削減効果やユーザーのストレス変化などを検証する。宅配業者の佐川急便と日本郵便も協力する。
モニターを対象に実施した事前アンケート調査では、直近の半年以内に宅配便の半数以上を再配達で受け取ったと回答したユーザーが約8割に上った。また、ほぼすべてのユーザーが「再配達の依頼」や「日時指定時や再配達時の待機」に手間を感じ、一方で「在宅時でも対応できない」「再配達になった場合、配達員に申し訳ない」などのストレスを抱えていた。
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