ソフトバンク宮内CEO、ドコモ新プラン登場も“安さ”に自信 「十分な価格競争力がある」
ソフトバンクの宮内CEOは、2019年3月期の決算説明会で「(売上高・営業利益ともに)過去最高を達成した。最大の要因は、スマートフォン累計契約数の増加だ」とコメント。
ソフトバンクグループの通信子会社ソフトバンクが5月8日に発表した2019年3月期(18年4月〜19年3月)連結決算は、売上高が3兆7463億円(前期比4.6%増)、営業利益が7194億円(同12.8%増)、純利益が4307億円(同7.5%増)と増収増益だった。宮内謙CEOは同日、決算説明会で「(売上高・営業利益ともに)過去最高を達成した。最大の要因は、スマートフォン累計契約数の増加だ」と笑顔を見せた。
ドコモに対抗心 「十分な価格競争力がある」
同社は、最新のケータイ端末や大容量のデータ通信プランを求めるユーザー向けに「SoftBank」ブランド、通信料を抑えたいライトユーザー向けに「Y!mobile」ブランドと「LINEモバイル」ブランドを用意。競合する携帯キャリアだけでなく、格安SIM事業者にも対抗できる体制を整えている。
SoftBankブランドでは昨年9月、通信料金と端末代金を分離した大容量プラン「ウルトラギガモンスター+」の提供をスタートし、ユーザーの支持を集め、スマホ契約数が前期比で195万件増加。増収増益に貢献したという。
NTTドコモがこれに対抗し、今年6月から大容量ユーザー向け“分離プラン”「ギガホ」を提供するが、宮内CEOは「ギガホが最安3980円なのに対し、ウルトラギガモンスター+は最安3480円」とアピール。ドコモは従量課金制の新プラン「ギガライト」で従来から最大4割の値下げを実現するとしているが、宮内CEOは「Y!mobileの低価格なプランも十分な価格競争力がある」と強調する。
さらに宮内CEOは、新プラン「スマホデビュープラン」を6月12日から提供すると発表した。ソフトバンクの3G/4Gケータイなどからの機種変更や、他社のフィーチャーフォンからMNP(番号ポータビリティ)で転入する場合、スマホを契約すると1年間、月額980円から利用できる。
同プランでは、加入者にモバイル決済サービス「PayPay」で使える電子マネーを毎月1000円分、6カ月間付与する。「これまでスマホを使ったことがない人が、半年間“タダ”でトライできるプランとして広めていきたい」(宮内CEO)
宮内CEOは「(競合する)KDDIも対抗策を用意していると思うので、われわれもプランの微修正は必要だが、『大容量』『ライトユース』『スマホデビュー』という3つのモバイル戦略で高い競争力を維持していく」と自信を見せた。
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