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上半分が欠けた「モネの睡蓮」を復元、AIで色合い推定 国立西洋美術館が公開
国立西洋美術館と凸版印刷が、半分近くが欠けてしまったクロード・モネの絵画「睡蓮、柳の反映」の元の姿を推定し、復元した画像を公開した。AI技術を活用し、欠けた部分の色合いを推定したという。
国立西洋美術館と凸版印刷は6月10日、半分近くが欠けてしまったクロード・モネの絵画「睡蓮、柳の反映」の元の姿を推定し、復元した画像を公開した。AI技術を活用し、欠けた部分の色合いを推定したという。11日から同美術館が開く企画展で展示する。
「睡蓮、柳の反映」は、連作「睡蓮」の中の1点で、実業家の松方幸次郎が1921年、モネから直接譲り受けたもの。約60年間行方不明だったが、2016年にパリで上半分が失われた状態で見つかった。国立西洋美術館などは、残った部分と全体が映った白黒写真を手掛かりに、使われている絵の具を特定。モネが描く際の手順や特徴を探った。
さらにAI技術も活用し、色彩を推定。モネのさまざまな作品をAIに学習させ、「睡蓮、柳の反映」の残った部分を参考に、全体の色合いを割り出した。「人による推定をAIの推定によって検証し、客観性を高めた」という。
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