Facebook、暗号通貨「Libra」とデジタルウォレット「Calibra」を2020年立ち上げ
Facebookがオリジナルのブロックチェーンベースの暗号通貨「Libra」とウォレット「Calibra」を2020年に提供開始すると発表した。VisaやMasterCardなど28社がサポートする。専用アプリだけでなく、Facebook MessengerやWhatsAppでも使えるようになる。
米Facebookは6月18日(現地時間)、新暗号通貨「Libra」と、専用のデジタルウォレット「Calibra」を発表した。2020年から提供する予定で、単独アプリ(Android/iOS)の他、Facebook MessengerやWhatsAppでもサービスを使えるようにする見込み。
Calibraは、元Facebook幹部のデビッド・マーカス氏が率いる同名のFacebook子会社Calibraが運営する。
LibraはFacebookが開発したブロックチェーン技術を採用する暗号通貨。MasterCard、Visa、PayPal、Stripe、eBay、Uber、Lyft、Spotifyなどがサポートを表明している。
提供地域はまだ発表されていない。FAQには「可能な限り広範囲で提供していきたい」とある。
Facebookは発表文で、Calibraの目的は銀行口座を持てない人々も基本的な金融サービスを利用できるようにすることとしている。「世界の成人の半数近くが銀行口座を持っていない。開発途上国ではさらに多く、女性の場合はさらに多い」という。
Calibraは、Libraをスマートフォンで使えるようにする。コードをスキャンすることでコーヒーを買ったり、公共交通機関を利用したりできるようにする計画。
利用を申し込むには政府発行のIDが必要。ユーザーデータの扱いで評判の悪いFacebookは、Calibraでのプライバシーについての説明書(PDF)を公開している。
Facebookは独立した組織Libra Associationを立ち上げた。この組織はスイスのジュネーブに拠点を置き、Libraのネットワークと通貨を管理する。立ち上げ段階で28社が参加しており、2020年のCalibra立ち上げ時にメンバーは100社以上になるという。Facebookも他のメンバーと同等の権利でLibra Associationの一員として参加する。
また、データ保護には銀行やクレジットカード会社と同じレベルの技術を採用するとしている。ユーザーのアカウントに第三者がアクセスして残高が影響を受けた場合、Calibraがユーザーに返金する。
Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは自身のFacebook投稿で、「エキサイティングな旅の始まりだ。さらなる情報を共有するのが楽しみだ」と語った。
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