メルカリ、コインランドリーに「撮影ブース」設置 出品する衣服をパシャリ、きっかけは利用者の声
メルカリとTOSEIが、メルカリに出品する衣服の撮影や梱包が可能なブースをコインランドリーに設置する実証実験を始める。きっかけは「コインランドリーで衣服を撮ると“映える”」という利用者の声だった。
フリマアプリを運営するメルカリは6月25日、首都圏3カ所のコインランドリーに、メルカリで出品する衣服を撮影できるブースを26日から設置すると発表した。「コインランドリーで衣服を撮ると“映える”上、洗濯済みだとアピールできる」という利用者の声を踏まえ、実証実験を行う。
TOSEI(東京都品川区)が直営するコインランドリーの店内に、衣服の撮影や梱包作業ができるスペースを設置。照明や背景パネルを付けたハンガースタンドを設け、利用者が衣服を掛けて撮影できるようにする。メジャーも用意し、商品のサイズが分かりやすい写真も撮れる。
「ゆうパケット用段ボール箱」「宅配ビニール袋」などの梱包資材も無料で提供する。利用者は、売れた商品を発送する際、コインランドリーで衣服を洗濯・乾燥し、その場で梱包して近くのコンビニで発送できる。
「自宅で写真を撮ると生活感が出てしまう」
洗濯物をたたむスペースで、利用者がメルカリに出品するために衣服の写真を撮っている――撮影ブースを設置するきっかけは、TOSEIの社員が直営店を巡回中、そんな光景を目撃したことだった。利用者の中には、出品する服を洗濯機の前で撮影すると“映える”上に、洗濯してから出品しているとアピールできるため、洗濯機と一緒に衣服を撮影する人もいるという。
メルカリ側にも、以前から「自宅で写真を撮ると生活感が出てしまう」「床に置いて撮ると影ができてきれいに撮れない」といった声が寄せられ、衣服の写真を撮りやすくするサービスの必要性を感じていたという。
今回の取り組みは、需要を感じたTOSEIがメルカリに打診。TOSEIからの相談を受け、メルカリは「両社にとってプラスになる」と判断し、実証実験を行うことを決めた。
実証実験は当面、TOSEI直営のコインランドリー3店舗で実施するが、利用者の反応を踏まえ、約50店舗にも追加で設置を検討。実証実験の地域を拡大していく。
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