ニュース
1円玉より軽い昆虫型ドローン、太陽光発電で単独飛行実現 昆虫の推力効率に匹敵
電力から得られる推力の効率はハナバチなどの昆虫に匹敵。研究チームは「持続的に単独飛行できる飛行ロボットとしては世界最軽量だ」と話している。
昆虫のような羽根を持つ小型飛行ロボットの、外部からの電源供給を必要としない単独飛行に成功した──こんな研究結果を、米ハーバード大学の研究チームが発表した。
Insect-sized robot takes flight: RoboBee X-Wing
ハーバード大学の研究チームが作製したのは、約2センチの薄い羽根を4枚搭載する小型ドローン「RoboBee-X-Wing」。昆虫のように2対の羽根を羽ばたかせることで揚力を発生させる。60ミリグラムの太陽光発電パネルを機体上部に搭載し、光を浴びることで飛行に必要な電力を得られる。
外部電源からの供給なしで昆虫サイズのロボットを飛行させるのは積載能力や重量の関係で困難とされたが、研究チームは機体や搭載電子機器の軽量化と、4枚羽根飛行による推力効率の向上で単独飛行を実現した。
機体は全長10センチ弱程度の大きさだが、搭載電子機器を含めた重量は259ミリグラムと、1円玉(1グラム)の4分の1程度まで軽量化している。
飛行時に消費する電力は110〜120ミリワットで、電力から得られる推力の効率はハナバチなどの昆虫に匹敵するという。研究チームは「持続的に単独飛行できる飛行ロボットとしては世界最軽量だ」と話している。
同研究結果は、米科学雑誌Natureに6月26日付で掲載された。
関連記事
- 「“統計的に有意差なし”もうやめませんか」 Natureに科学者800人超が署名して投稿
調査した科学論文の約半数が、統計的有意性を誤用していたという。 - 「海外は量子アニーリングに見切り」──ハードもソフトも開発する量子ベンチャー「MDR」に聞いた「量子コンピュータの今」
世界有数の競争力を持つ日本の量子コンピュータのベンチャー企業MDRを立ち上げた湊雄一郎さんに「量子コンピュータの今」を聞く。 - 「視力300万」は視力検査でどれくらい見える? ブラックホール観測の“超高精度”を数字で味わう
ブラックホールを観測した望遠鏡の「視力300万」は視力検査でどこまで見えるか計算してみた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.