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講談社、海賊版リーチサイト「はるか夢の址」運営者に損害賠償請求
講談社が海賊版リーチサイト「はるか夢の址」に損害賠償を求める民事訴訟を提起。大阪地裁が7月9日に受理した。
講談社は7月9日、不正アップロードされた漫画など、海賊版コンテンツに利用者を誘導するリーチサイト「はるか夢の址」(あと)の運営者3人に対し、損害賠償を求める民事訴訟を起こしたと発表した。大阪地裁が同日付けで訴状を受理した。
今回の民事訴訟では、同社が発刊する「ヤングマガジン」「イブニング」など8誌に関する損害額を1億6000万円と試算して請求する。主張が認められた場合、支払いを受けた損害賠償金は、読書の普及を進める団体に寄付する予定という。
同社は「海賊版被害の拡大、蔓延を防ぐために、積極的に違法サイトの運営者らの責任を追及する」とコメント。「今後も漫画家ら創作者の努力を踏みにじる悪質な権利侵害案件については、刑事告訴に加えて今回のように民事訴訟の提起を進める」としている。
はるか夢の址は、不正アップロードされた漫画や雑誌をダウンロードできるリンクを掲載し、多くの人が読める状態にしていた海賊版リーチサイト(現在は閉鎖)。2016年7月から17年6月までの1年間で被害額は約731億円と推計されている(一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会調べ)。主犯格の男3人は今年1月、大阪地方裁判所でそれぞれ懲役2年4カ月〜3年6カ月の実刑判決を受けた。
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