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何でも撮れる“程よい”カメラ「LUMIX G99」荻窪圭のデジカメレビュープラス(3/3 ページ)

程よいカメラが出てきたのである。パナソニックの「LUMIX G99」は、汎用性が高い清く正しいミラーレス一眼なのだ。たぶん。

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G99の良さは操作性にあり

 G99を使って感じるのは使い勝手の良さだ。

 操作性に定評のあるG9 ProやS1のあとに登場しただけのことはある。

 深めのグリップ部に前電子ダイヤル+シャッター。その後ろのWB、ISO、露出補正のボタンが並び、右肩手前には後ろ電子ダイヤル。

 左肩はドライブモードだ。


上面から。しっかりしたグリップの上に各種ボタン。右手人差し指と親指で事足りる操作系が最近のパナソニックだ

 3つ並んだボタンはそれぞれ高さやボタン上部の形状を変えてあり、ファインダーを覗いた状態でも手探りでどのボタンか分かる。

IMG_0163

グリップ部。ボタンの高さや微妙な形状が全部違う。

 背面を見ると、これがまたよく考えられている。

 右手親指が届く位置にAF/AEロックとフォーカスモードレバー。構えた状態でさっとフォーカスモードを変更できるのは良い。

 モニターの右にはロータリーダイヤル兼十字キー。


背面から。フォーカス周りがまとまっていて、右手だけで基本的な設定を行えるのが良い

各種ボタン類はもちろんカスタマイズ可能だ(AF/AEロックやISOなど機能が固定されたボタンもある)

 最近のトレンドとなっているAF用のスティックはないが、「タッチパッドAF」を使えばファインダー使用時でもモニターをタッチパッドとして使えるので問題ないだろう。タッチパッドのレスポンスも良い。

 Q.MENU時もタッチパネル操作が可能だ。


ほぼ全部のシーンでタッチパネル操作ができるので便利

 モニターはバリアングル式。


このシリーズは伝統的にバリアングルモニターを採用している

 AFモードは自動や被写体追尾の他、1点AFもピンポイントAFも使える。タッチAFで1点AFを選び、AF枠を小さくすると追い込みやすい。


花の蜜を吸う蝶を追ってみた(14-140mm 140mm 1/500秒 F5.6 -1/3 ISO640)

 使っていてつらかったのはバッテリーの持ち。CIPA規格による撮影可能枚数は約290枚。省電力ファインダー設定にするともっと持つが、通常の使用だと思ったより早くなくなる感じだ。

 USB充電が可能だし、USB給電しながらの撮影もできるのでモバイルバッテリーは必須だろう。

 2019年の新型カメラなら、端子はMicroUSBじゃなくてUSB Type-C+USB PD対応にしてほしかったなと思う。

きれいにまとまりすぎてるのが欠点?

 他にも動画関連の機能が強化されたし(Log撮影のサポートや、動画向きのフォトスタイルの搭載など)、4K動画機能を応用した4Kフォトも持っているし、操作のカスタマイズも豊富だ。

 つまるところ、実にバランス良く多彩な機能を持っており、操作性もボディの質感も良くて持っているとどんどん撮りたくなるけれども、きれいにまとまりすぎてて突出した何かがないのが欠点なんじゃないかという気がしてくるカメラである。特にG9 Proと比べると、個々の性能が抑えられていることもあり、もうちょっと個性を出してもよかったかと思う。

 でも、汎用性が高くて何でも撮れるカメラなので本格的な撮影に挑戦したい人にうってつけだ。

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