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ゲノム情報を暗号化したまま解析、プライバシーを保護 NECと阪大が実験
NECと大阪大学が、データを暗号化したまま処理できる技術「秘密計算」をゲノム解析システムに適用する実験を行い、実用性を示した。
NECと大阪大学は7月23日、さまざまなデータを暗号化したまま処理できる技術「秘密計算」をゲノム解析システムに適用することに成功したと発表した。個人情報であるゲノムを暗号化し、プライバシー侵害のリスクを抑えた上で、十分な計算速度でゲノム解析ができることを確認したという。個人の遺伝情報に基づいた個別化治療の研究に役立てる。
NECが開発している秘密計算のシステムでは、データを複数に分割し、それぞれを複数のサーバに分散して計算する。個々のデータは乱数によって秘匿し、複数のサーバに分けることで復元を難しくしているため、個人情報や生体情報、企業の秘密情報などを安全に計算処理できるという。
今回、大阪大学でゲノム解析に使っているアプリケーションに、この秘密計算の技術を組み込んだ。複数の医療・研究機関が保有する遺伝情報や疾病などのデータを暗号化したまま解析。年代ごとにゲノムの構造が変わる頻度を解析する実験では、約8000人のゲノムを1秒程度で解析でき、プライバシーを保護した状態でも、実用的な速さで実行できることを確認した。
NECと大阪大学は、引き続き検証を進め、患者のプライバシーを保護しつつゲノム情報や診療情報を活用し、個別化治療などの発展に貢献するとしている。
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