検索
連載

「EOS Kiss X10」を持つと背面モニターで撮影したくなる理由荻窪圭のデジカメレビュープラス(2/2 ページ)

「EOS Kiss X10」は、Kissシリーズでも特にコンパクトで愛らしいデザインのエントリー向け一眼レフである。一眼レフなのに「ファインダーを覗いて撮るより背面モニターでライブビューした方が使いやすい」のだ。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

タッチパネルでの操作がいい

 で、これで話が終わってもいけないので、普通にあれこれ撮りながら使ってみる。

 このシリーズは伝統的に幅がすごく狭くてコンパクトで軽いのだが、グリップは細身だけど深く、とても握りやすい。このデザインは良い。

 前述した通り、光学ファインダーを覗いても背面モニターで撮ってもOK。ミラーレス一眼のように「ファインダーと背面モニターの自動切り替え」がないのが不思議なくらい。

 ライブビューとの切替はファインダー右側のボタンで行う。

 先ほどライブビューで撮った方が快適、と書いたが、欠点があるとすれば、モニターの位置。

 この写真を見ると分かるように、モニターの中心とレンズの光軸がちょっとずれてるのだ。横幅をギリギリまで詰めつつバリアングル化したせいかと思うが、ちょっと残念。


背面から。モニターの中心が光軸からずれているのが気になる。ファインダー右のボタンがファインダーとモニターの切替。モニター右のボタン群はシンプル。

光学ファインダー時はこの画面に。左下の「Q」をタップすると、種々の操作をタッチパネルで行える。けっこう分かりやすくて親切

 ともあれ撮る。レンズはダブルズームキットの18-55mm。ちょっとアンダー気味だけどキットレンズとしては写りもいいし軽い。


いつものガスタンク。オートライティングオプティマイザは標準にセット。ちょっとアンダー目かなという感じだが色は良い(18-55mm 18mm 1/400秒 F8 ISO100)

 連写は秒5コマ。光学ファインダー時もライブビュー時も連写速度は同じ。特に両者の差はない。


入線してくる車両を連写で撮影したなかの1枚。ちゃんとフォーカスは追いかけてくれる。秒5コマとエントリー機としては標準的(18-55mm 55mm 1/125秒 F5.6 ISO500)

 AFはライブビュー時には瞳AFも使えるが、この微妙な構図だと瞳までは見つけてくれなかった。残念。


ライブビュー次は顔+瞳認識を使えるのが便利。露出も確認できるし

この角度だと瞳の検出まではしてくれなかったけど、ちゃんと顔に露出も合っていて良し(18-55mm 35mm 1/125秒 F5.0)

 さてこれはオートモードで撮ったのだが、オート時はクリエイティブアシスト機能として、露出やホワイトバランスの調整の他、さまざまな画作りのプリセットが用意されている。

 これなんかモニターを見ながら撮らないと仕上がりイメージが分からないわけで、ライブビューのための機能って感じだ。


フルオート時に右下のクリエイティブアシストボタンをタッチすると明るさやホワイトバランスの他、プリセットを使うことができる

プリセットの「SHINE」を使って撮影してみた

 他にも料理を撮るとき、花を撮るときなんかはライブビューの方が使いやすい。露出補正もかけやすいし。


料理を撮影。ISO感度が上がってざらつきが出ちゃったのが残念だが(18-55mm 35mm 1/125秒 F5.0 ISO2000)

アンダーになりそうだったので+1.7の露出補正をかけて撮ったラテ。もうちょっとシャッタースピードは抑えめでもよいと思うのだが(オートで撮影してる)(18-55mm 1/160秒 F5.6 ISO4000)

 逆に望遠レンズを付けたときや集中して撮りたいときはファインダーがいい。

 レンズキットの18-55mmは軽くていいのだが、F4-5.6と広角端の開放がF4.0なのは残念。


電球の中に青い水が入っているように見えるのだがちょっと謎。これ、光らせられるの、と思ってつい撮影。絞り開放で(18-55mm 39mm 1/640秒 F5.0 ISO100)

 ダブルズームキットの望遠レンズは55-250mm。35mm判換算で400mm相当だ。


Kiss X10にダブルズームキットの55-250mm F4-5.6を装着。軽くて扱いやすい望遠ズームだ

木に止まっていたアオサギを望遠端で狙ってみた(55-250mm 250mm 1/500秒 F5.6 ISO640)

 ISO感度はISO100から25600まで。

 APS-Cサイズセンサーのカメラにしては高感度時のノイズは多め。ISO3200までいくとかなりざらつき、ISO25600ではディテールがかなりつぶれてしまう。これは残念な点だ。


ISO200から1600

ISO3200から25600

 ISO6400で撮った夜景をどうぞ。オートモードで撮影。


オートモードで撮影。シャドウ部がぎゅっとしまった昔ながらの夜景写真って感じだがちょっとノイズが多めかな(18-55mm 18mm 1/60秒 F4.0)

バッテリーの持ちが良くなったのは○

 前モデルX9に比べて大きく変わったのはバッテリーの持ち。

 バッテリー自体は変わらないが、ファインダー撮影時で約650枚が約1070枚へ、ライブビュー撮影時は約260枚から約320枚へと増えている。実際にファインダーとライブビューを半々くらいで撮ってきたのだが、バッテリーはけっこう持った印象だ。

 残念なのはUSB充電に対応してないことか。そろそろ対応してほしい。

 スマートフォンとの接続はBluetoothとWi-Fiの両方に対応。これはなかなか使いやすい。

 いやもうなんというか、一眼レフでありながらライブビュー撮影が圧倒的に便利で、どちらも同じように使えるハイブリッドっぽさで、操作系もシンプルなので一眼レフからライブビューへの移行期を飾るエントリー向けデジタル一眼と思えばすごく面白いカメラだ。そうそう、今回はブラックモデルだったけど、Kiss X10やKiss Mはホワイトの方がカワイイと思う。個人的に。

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る