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Google Cloudで円周率を31.4兆桁計算 ギネス更新した日本人技術者が振り返る舞台裏(2/2 ページ)

「Google Cloud Platform」を使って円周率を小数点以下約31兆4000億桁まで計算し、ギネス世界記録に認定された、日本人技術者の岩尾エマはるかさん。Google日本法人がこのほど開いた年次カンファレンス「Google Cloud Next'19 in Tokyo」に登壇し、記録達成の舞台裏を語った。幼少期から円周率計算に興味を持っており、大規模な計算を成し遂げることが夢だったという。

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170テラバイト、約2119万円を使用

 準備を整えた岩尾さんは、2018年9月22日〜19年1月21日まで、約4カ月間(111.8日)かけて高性能計算プログラム「y-cruncher」を動かした。岩尾さんは当時を「祈っていただけではなく、ダッシュボードを確認し、ちゃんと動いているかを常にモニタリングしていましたよ」と振り返る。

 使用したストレージは約170テラバイト、利用料は約20万ドル(約2119万円)に上ったが、実験は大成功。大規模な科学技術計算をたった1人で成し遂げ、ギネス記録を勝ち取った。

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モニタリング用のダッシュボード

Wikipediaに批判的な紹介文を書かれたことも

 だが、岩尾さんの取り組みに批判的な目を向ける人もおり、「Wikipediaに『既存のプログラムをダウンロードしてきて、クラウド上で走らせただけ』と(やゆするような)紹介文を書かれたこともありました」という。

 それでも、「簡単そうに見えるかもしれませんが、仮想マシンを4カ月間ヘビーに使えることや、ネットワークドライブで大規模な処理ができること、そしてクラウドで世界記録を出せることは、最初は誰も想像していなかったはずです」と、岩尾さんの自信に揺るぎはない。

 「ほぼ趣味のようなプロジェクトでしたが、準備段階ではいろいろな構成を試せましたし、計算が始まってからはクラスタを1人で走らせることができました。小学生の頃からの夢をかなえられたことをうれしく思っています」

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