楽天、仮想通貨取引サービスを開始 ビットコインやイーサリアムなど取り扱い
楽天ウォレットが仮想通貨の現物取引サービスを開始。専用アプリを使って仮想通貨の取引ができる。Android版は先行配信、iOS版は9月上旬にリリース予定。
暗号資産(仮想通貨)を取り扱う楽天ウォレット(東京都世田谷区)は8月19日、仮想通貨取引所「楽天ウォレット」を開設し、専用スマートフォンアプリ(Android版)からの現物取引サービスを始めた。iOS版は9月上旬にリリース予定。
取り扱う仮想通貨は、BTC、ETH、BCH。取引時間は午前7時から翌日の午前6時55分まで。スマホアプリ「楽天ウォレット」から、仮想通貨の売買や口座への入金、資産の入出庫が行える。資産やレートの確認など、資産運用の機能も用意した。口座開設には楽天の会員IDと楽天銀行の口座が必要。
楽天は2018年8月、「みんなのビットコイン」を買収。19年3月に商号を「楽天ウォレット」に変更し、仮想通貨交換業者として財務局に登録していた。6月の取引サービス開始を目指し、4月から楽天ウォレットの口座開設を受け付けていたが、5月にサービスの品質向上やセキュリティの強化を理由としてサービス開始を延期していた。
「セキュリティ対策」でサービス開始に遅れ
ユーザーから預かった資産は楽天ウォレットの自己資産とは分離し、楽天銀行子会社・楽天信託の信託口座で管理する。楽天信託は預かった資産を楽天銀行の銀行預金に預けて管理する。
ユーザーの資産は全て、オフライン環境下で管理する「コールドウォレット」内に保管し、安全性を確保。仮想通貨のトランザクション(取引)の署名に複数の秘密鍵を使う「マルチシグ」に対応させた。コールドウォレットと秘密鍵はセコムのグループ会社と提携して管理する。
サービスへのログインや出金、資産の出庫時には、楽天ウォレットの認証とGoogleの認証システムを使った二段階認証が必要だ。
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