米Amazon.comのオンラインストアで、政府当局が安全ではないと判断した4152点の商品を販売していると、米Wall Street Journalが8月23日(現地時間)、独自調査に基づいて報じた。
中には承認を受けていないのに米連邦政府保健福祉省食品医薬品局(FDA)の承認を受けたと偽った商品や、輸入が禁止されている処方薬、FDAが乳児が窒息する恐れがあると警告する睡眠マットなどが含まれる。
また、Amazonが禁止していると発表した販売品目の、少なくとも157点が販売されていることが確認された。
それらはAmazonの直販ではなく、サードパーティーが販売するものだが、その46%はAmazonの倉庫から出荷されており、中にはAmazonがお勧めする商品に付けるラベル「Amazon's Choice」が付いているものもある。
Wall Street Journalによると、Amazonは同メディアの通知を受けた後、4152点の商品の57%を削除あるいは注意書きの追加を行った。
Amazonは同日、「オンラインストアでの製品の安全性とコンプライアンス」と題した公式ブログを投稿し、こうした問題を解決するための取り組みについて説明した。
例えば、2018年にはAmazon.comのグローバルなコンプライアンス専任チームとAIツールにより、30億件以上の不正な疑いのあるリスティングをブロックしたとしている。
自然言語処理と機械学習採用のAIツールは、数分おきに何億もの製品をレビューし、ユーザーレビューを分析しているという。
Amazonは、「顧客を保護するために多大なリソースを投資」しており、「疑わしい製品や安全でない製品が販売されるのを防ぐツールを開発し、継続的に改善し続けている」としている。
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