日本気象協会は8月30日、ディープラーニング(深層学習)技術を活用し、細かい地域範囲の降水量を1時間単位で予測できる技術を開発したと発表した。これまでの手法で必要だったスーパーコンピュータがなくても、短時間で、より詳しい降水予測ができる。
これまでは気象庁から提供される気象予測データを基に、20キロ四方の範囲の降水量を3時間単位で予測していたが、ディープラーニングの技術を活用することで、5キロ四方の範囲を1時間単位で予測できるようになった。これまでも降水予想の範囲をAIで詳細化する手法はあったが、予想の単位時間を詳細化したのは業界初という。
今回の技術は統計的な方法で粗い気象データをより細かいデータに変換する「統計的ダウンスケーリング」の一種。従来は、詳細に降雨量を予測するためには高性能なスーパーコンピュータが必要だったが、深層学習の一種である「畳み込みニューラルネットワーク」(CNN)を使うことで、一般的なコンピュータでも予測の計算ができるようになったという。
ゆくゆくは風の予測など雨以外の予測にも活用し、防災や減災に役立てるという
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