「Firefox 69」公開 サードパーティトラッカーと暗号通貨マイニングをデフォルトブロック
Webブラウザ「Firefox 69」が公開された。サードパーティトラッカーと暗号通貨マイニングをデフォルト(初期設定)でブロックするようになった。セキュリティ関連では最も重要な「Critical」2件を含む21件の脆弱性を修正した。
米Mozilla Foundationは9月3日(現地時間)、Webブラウザ最新版となる「Firefox 69」をWindows、Mac、Linux、Android向けに公開したと発表した。
サードパーティトラッカーと暗号通貨マイニングをブロックする「Enhanced Tracking Protection」設定がデフォルトになった。6月リリースのバージョン67では新規ユーザーのみこの設定がデフォルトだったが、それが全ユーザーに拡大された。
暗号通貨マイニングは、第三者がユーザーのCPUにアクセスし、暗号通貨を生成する行為。CPUの速度が遅くなり、バッテリーも消費するのでユーザーにとってはメリットがない。上の画像にある「フィンガープリント採取」は、WebサイトにアクセスするとPCの構成のスナップショットを知らない間に提供させられる機能。スナップショットは、ユーザー追跡に使われる。Firefoxの将来のバージョンでは、フィンガープリント採取もデフォルトでブロックする計画だ。
Mozillaの製品担当副社長、マリッサ・ウッド氏は「このマイルストーンは、Firefoxを使用するすべての人に、より強力で使いやすいプライバシー保護を提供するという、われわれの長年の取り組みにおける大きな一歩だ」と語った。Mozillは1月、「反トラッキングポリシー」を打ち出した。
Enhanced Tracking Protectionが機能すると、アドレスバーに盾のアイコンが表示される。これをクリックすると、どのようなcookieをブロックしているかが分かり、ブロックをオフにすることもできる。
この他、自動再生設定の動画を再生しない設定が可能になり(これまでは音声なしでの自動再生のみ選択可能だった)、Windows 10ではWindows Helloに対応し、CPUの消費量が減り、macOSではバッテリー消費削減とダウンロードUIの改善が行われた。
セキュリティ関連では、重要度が最も高い「Critical」2件、「High」11件を含む21件の脆弱性が修正された。
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