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JR池袋駅の駅ナカ飲食店、セルフ注文・キャッシュレス決済ができるタッチパネル導入 レジ無人化目指す

JR池袋駅内のハンバーガー店が、タッチパネル型の注文・決済端末「Oder Kiosk」を導入した。顧客は液晶画面を操作して約60種類のメニューから好きなものを選び、Suicaかクレジットカードで決済できる。店舗側は、一般的な券売機より多くのメニューを表示できる他、時間帯ごとにメニューを出し分けられる。スタッフのレジ打ち業務を効率化し、将来的なレジ無人化を目指す。

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 ジェイアール東日本フードビジネスは9月4日、JR池袋駅内のハンバーガー店「R.ベッカーズ 池袋東口店」に、タッチパネル型の注文・決済端末「O:der Kiosk」(オーダーキオスク)を導入した。顧客は液晶画面を操作して約60種類のメニューから好きなものを選び、Suicaかクレジットカードで決済できる。店舗側は一般的な券売機より多くのメニューを表示できる他、時間帯ごとにメニューを出し分けられる。これらのメリットによってスタッフのレジ打ち業務を効率化し、将来的なレジ無人化を目指す。

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タッチパネル型の注文・決済端末「O:der Kiosk」

 同店舗は1月末に、スマートフォンなどから事前に注文・決済した商品を店舗で受け取れる「モバイルオーダー」サービスを導入。これに加えて新型の決済端末を取り入れることで多様な注文方法に対応し、顧客の獲得を加速させる狙い。スタッフのレジ打ち業務の負担を軽減することで、調理の質を高める効果も見込む。

 O:der Kioskは、飲食店向け決済サービスを手掛けるベンチャーShowcase Gigが開発した。インターネットに常時接続しているため、店舗側は搭載するアプリをアップデートして利便性を高めたり、ニーズに応じて仕様やメニューをカスタマイズしたり、画面上で特定の商品をレコメンドしたりできる利点がある。

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タッチパネルで多様なメニューを注文できる

 同端末のサイズは96.2(縦)×47.0(横)センチで、うちタッチパネルは59.8(縦)×33.5(横)センチ。QRコード決済用の読み取り機器も搭載しているが、R.ベッカーズ 池袋東口店では現時点では非対応。顧客が注文・決済を終えた後に、端末下部から番号札を出力する機能も備える。店内に別途設けたデジタルサイネージと連携し、調理が終わると顧客に通知することもできる。

 注文・決済システムの基盤はAmazon Web Services(AWS)がベース。店舗側は、購買データをクラウド上に集めて分析し、マーケティング施策の立案に生かすことも可能だ。AWSは8月23日に東京リージョンで障害が起き、国内のさまざまなサービスに影響を及ぼしたが、O:der Kioskは再度障害が起きた際でも使えるようシステム構成を工夫しているという。

将来的なレジ無人化を視野

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ジェイアール東日本フードビジネスの山際貞史社長

 ジェイアール東日本フードビジネスの山際貞史社長は「モバイルオーダーと組み合わせることで、店員はレジ打ちの工数が減り、調理に集中できるだろう。ゆくゆくは店内にレジ打ち担当者を置かない運用を視野に入れている。少子高齢化によって働き手が不足した場合でも、効率よく店舗を運営したい」と語った。

 Showcase Gigの新田剛史社長は「端末のUI・UXには徹底的にこだわった。スマートフォンのような感覚で操作できるが、まだフィーチャーフォンを使っているシニア層も十分に使えるだろう」とし、「モバイルオーダーとタッチパネル式の注文・決済の両方に対応した店舗は国内初だ。これらは海外では広がっている一方、日本では普及していなかった。今後急速に広がっていくだろう」と展望を話した。

 ジェイアール東日本フードビジネスは今後、同店舗でのO:der Kioskを経由した売上の比率向上を目指す。進捗(しんちょく)状況に応じ、管轄する他の駅ナカ店舗への展開も検討する。Showcase Gigは、同端末の現金払いや英語表記への対応を進める。他の飲食事業に提供する可能性もあるという。

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