五輪選手村のマットレス、自動採寸で個別にカスタマイズ 「4年に1度の大舞台、最高のパフォーマンスを発揮して」
東京五輪の選手村の寝具は、選手ごとにカスタマイズ。ベンチャーBodygram Japanの自動採寸技術を活用し、寝具メーカーのエアウィーヴがマットレスの構造を最適化するという。
寝具メーカーのエアウィーヴは9月24日、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックの選手村に、選手用の寝具を提供すると発表した。協業するベンチャーBodygram Japanの自動採寸技術を活用し、選手の体形を推定。そのデータに基づき、選手ごとに寝具をカスタマイズする。
過去の選手村では、選手の体形にかかわらず、全室で同一のマットレスを提供していた。しかし選手は、競技によって体重や体形、筋肉の付き方が異なる。自分に合わないマットレスを使うと寝返りがしづらく、睡眠の質の低下にもつながるという。
そこでAI技術を活用し、洋服を着たままスマートフォンのカメラで撮影した画像と、簡単な数値入力から、全身の身体サイズを推定するアプリを提供。そのデータを基に、マットレスの硬さを変えられる仕様にした。マットレスは頭・腰・足に三分割し、各パーツの硬さを調整。「理想的な寝姿勢を保ち、睡眠中の身体への負担を軽減する」という。
マットレスには、ポリエチレン樹脂から作る独自素材「エアファイバー」を採用。使用後は、ポリエチレン原料に再生し、プラスチック製品に再利用が可能という。マットレスを敷くベッドフレームも、再生可能な段ボールで構成する。
選手村のベッド数は、東京2020オリンピック時に1万8000床、パラリンピック時に8000床を予定している。エアウィーヴは「4年に1度の大舞台に臨む各選手が、最高のパフォーマンスを発揮できるよう、過去最高の睡眠環境を用意する」としている。
関連記事
- 「意識変わった」「風邪が減った」 しっかり寝ると報酬がもらえる「睡眠報酬制度」を導入した企業の“その後”
「睡眠報酬制度」を導入したCRAZYの森山社長は「社会実験そのもの」と話す。前代未聞の取り組みがスタートして約5カ月、社員の反応は? その成果は? 現在の状況を聞いた。 - ユニクロ、スマホカメラで自動採寸 正面と側面の写真でサイズ推定
ユニクロは、スマートフォンのカメラを使って採寸ができる「MySize CAMERA」と、身長や体重などのデータを基に最適な服のサイズを提案する「MySize ASSIST」を公開した。 - スマホで自動採寸、2枚の写真で 米ベンチャーが開発、ECサイトに技術提供へ
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.