アイリスオーヤマ、大型家電を強化 「2022年度に売上高1兆円を目指す」
アイリスオーヤマが、ドラム式洗濯機と4K対応液晶テレビの市場に本格参入する。2022年度の売上高1兆円を目指し、大型家電事業を強化する考え。
アイリスオーヤマは9月25日、ドラム式洗濯機と4K対応テレビの市場に本格参入すると発表した。同社は2022年度にグループ全体の売上高を1兆円にする計画で、新たな収益の柱として大型家電事業を強化する考え。ルームエアコンと冷蔵庫に続き、2018年にテスト販売して反響が大きかったというドラム式洗濯機と4Kテレビに注力する。
ドラム式洗濯機は、日本家庭で需要が高いという部屋干しにこだわった。部屋干ししたときの生乾きの臭いを防ぐために銀イオンによる除菌システムを搭載した他、水洗浄では落ちにくい汚れが落ち、繊維がほぐれてふっくら仕上がるという温水洗浄コースも用意した。価格を抑えるため、乾燥機能は非搭載。参考価格は12万8000円(税別)で、10月10日に発売する。
アイリスオーヤマ家電事業部の石垣達也統括事業部長は、乾燥機能を搭載しなかった理由について、「ドラム式洗濯乾燥機を使っている人たちにヒアリングしたところ、乾燥機能は年に数回使う程度という人が多かった。それなら乾燥機能を付けて価格を上げるよりも、リーズナブルなほうがいいのではという結論になった」と説明する。
4Kテレビは、ユーザーニーズに応えるアイリスオーヤマならではの「なるほど機能」を搭載する新商品を12月に発売し、本格参入する予定。従来の「LUCA」シリーズは、テレビの前面にスピーカーを搭載するモデルと、フレームの幅を狭めたモデルをそれぞれ10月に発売する。
「売上高1兆円」に向けた戦略
同社の家電事業は堅調に推移しており、2018年度はアイリスオーヤマ単体の売上高1500億円に対し、家電事業の売上高は810億円と約半数を占めた。今後は家電事業、LED照明などのB2B事業、ネット通販事業を拡大させ、2022年度にグループ全体で売上高1兆円を目指すという。
同社はアジアや欧米を中心に生産・物流拠点を展開しており、家電の生産工場は中国、韓国、フランスに進出している。石垣統括事業部長は「海外展開は日本製品をそのまま持っていくのではなく、現地のニーズに合わせて展開していく」と語った。
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