チョウ型ドローン、エアチューブ式人工筋肉、キューブ状ガスボンベ──最新の国内技術をチェック:イノベーション・ジャパン2019(2/2 ページ)
テクノロジー見本市「イノベーション・ジャパン2019」で展示された、最新の国内技術をピックアップして紹介する。
同社が手掛ける多孔性配位高分子は、ナノサイズの孔を持つスポンジのようなもの。表面積の大きさは、1グラムでサッカーコート1面分以上になる。これをガス吸着剤として用いることで、高効率なガス容量を実現している。
CubiTanは一辺28センチの立方体でありながら、一般的な高圧ガスボンベ(高さ150センチ・直径25センチ、総重量60キロ)と同じ容量・内圧だという。その上、重量も9キロと従来比85%ダウンに成功。
IoTモジュールを搭載しており、電子的な管理が可能だ。筐体はMIL規格に準拠。ロボットによる搬送など可搬性を考慮し、4辺にハンドルを付けている。
番外編:「耐火ロボットハンド」と「炭火焼き風使い捨て鍋」
最後に、ビジュアルと用途的にグッとくる人が多いであろうものを2つ紹介しよう。
ビジュアルがカッコいい「耐火ロボットハンド」
東北大学が「タフ・ロボティクス・チャレンジ」の一環として開発した「耐火グリッパ機構」は、炎の中にある高温の物体をつかめるロボッドハンドだ。
ただつかめるだけでなく、とがっていたり、複雑な形状であったり、崩れやすいものもつかめてしまう。災害現場や工場での作業効率を高めるために生まれたというが、何より見た目が大変よろしい。
空だきでも燃えない「炭火焼き風使い捨て鍋」
石川県立大学は、炭火がなくても炭火焼きができる使い捨て鍋を開発している。これはよくある使い捨てアルミ鍋に放射塗料層を加えたもので、放射塗料層に熱が加わると炭のように遠赤外線を放射するという。
加熱効率が天ぷら鍋よりも高く、空だきしたときに燃えないのもメリット。食材が鍋底にくっつかず、遠赤外線により炭火焼きのような調理ができるとしている。自宅での調理用途のほか、食材とセットでの流通を目指しているという。現在は石川県内のホテルや料理店で実証実験中。キャンプ用品としても魅力的だろう。
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