ニュース
“100キロ先に届く”IoT通信、ソニーなどが開始 20年度に全国展開へ
ソニーネットワークコミュニケーションズなどは、独自の通信規格「ELTRES」(エルトレス)を採用した、IoT向けの通信サービスの提供を始めた。
ソニーネットワークコミュニケーションズ、NECネッツエスアイ、オリックスは9月30日、ソニーが独自開発した通信規格「ELTRES」(エルトレス)を採用した、IoT向けの通信サービスの提供を始めた。低消費電力で長距離通信ができる「LPWA」(Low Power Wide Area)の一種で、まず関東、東海、関西の主要都市を中心に始め、2020年度上期中に全国展開を目指す。
見通し100キロ以上の伝送性能を備え、時速100キロ以上で高速移動する電車などとも通信できるとしている。準天頂衛星「みちびき」や米国GPSなどの衛星測位システム「GNSS」の信号を活用し、位置・時刻情報の取得も可能という。データの送信間隔は3分〜24時間で設定できる。
こうした特徴を生かし、電波が届きにくい山間部の鉄塔やため池などのインフラ監視、走行中の車両や物流の管理、児童や登山者の見守り──といった活用を見込む。
関連記事
- ソニー、“100キロ先に届く”IoT通信規格「ELTRES」提供へ 通信モジュールを開発
ソニーは、「LPWA」の独自規格「ELTRES」に対応する通信モジュールを発表した。価格は5000円(税込)で、6月からサンプルを出荷する。 - LPWAで足まわりを強化 KDDIの法人向けIoTクラウドサービス戦略
KDDIは、8月から法人向けIoTクラウドサービスにLPWA(省電力広域通信)のメニューを追加する。既に全国展開している4G LTEの基地局を利用し、広いエリアをカバーできるという。 - 世界最小クラスの新型IoT向け通信モジュール ソフトバンクと村田製作所が開発
ソフトバンクと村田製作所がソフトバンクのIoTプラットフォームに対応した小型のLPWAの通信モジュールを共同開発し、9月以降に発売すると発表した。 - 「LPWAが抱える課題の大半を解決」 IoT向けWi-Fiの実用化を目指す「802.11ah推進協議会」発足
通信会社やメーカーなどが参加する「802.11ah推進協議会」が発足。“IoT向けWi-Fi”の国内利用を目指し、各種トライアルや関係機関への働きかけを行う。「920MHz帯で802.11ahを利用できるようになれば、先行するLPWAが抱えている課題の大半を解決できる」という。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.