アマゾン、機械学習で偽造品を撲滅へ 「Project Zero」日本でも開始
Amazon.co.jp上で偽造品の撲滅を目指す「Project Zero」が始動。機械学習を活用し、偽造品の疑いがある商品を検知する他、プロジェクトに参加する企業には、発見した偽造品を削除できる権限を付与する。
アマゾンジャパンは10月9日、Amazon.co.jp上で偽造品の撲滅を目指す「Project Zero」を始めたと発表した。機械学習を活用し、偽造品の疑いがある商品を検知する他、プロジェクトに参加する企業には、発見した偽造品を削除できる権限を付与。偽造品をスピーディーに削除する体制を整える。
世界中のAmazonで毎日更新される50億件以上の商品情報を継続的に自動スキャンし、偽造品の疑いがある商品を検知するという。プロジェクトに参加する企業が発見・削除した偽造品の情報も、検出精度の向上に利用する。
既にパナソニック、アイリスオーヤマ、任天堂、ソニー・インタラクティブエンタテインメント、アイロボットジャパン、川崎重工、タカラトミー、ダダリオなどが参加している。
2020年前半には、企業がAmazon.co.jpで販売する商品1点ごとに、固有のコード(シリアルコード)を付けられるサービスも始める予定。シリアルコードと機械学習による検知システムを組み合わせ、偽造品の取り締まりを強化していく。
これまでもアマゾンジャパンは、企業の報告に基づき、偽造品を削除する「Amazonブランド登録」を提供してきたが、確認作業などに時間を要していた。Project Zeroでは、参加する企業がAmazonに報告せずに削除できるようにし、効率化を図る。
Project Zeroは、2019年春に米国と欧州でスタート。これまでに9000万点以上の偽造品の疑いがある出品を、Amazonのユーザーが閲覧する前に排除できたという。
関連記事
- Amazon.com、機械学習採用のコピー品検出・削除ツールをブランドに与える「Project Zero」
Amazon.comが、ブランドコピー(偽ブランド品)撲滅を目指す「Project Zero」を米国で開始した。参加ブランドに機械学習ツールを無料で提供し、セルフサービスで自社ブランドのコピーをAmazonから削除させる。削除データはAmazonのツール強化に利用する。 - 「ヤフオク!」偽物対策にスパコン「kukai」のディープラーニング活用、検知精度3.1倍に
「ヤフオク!」の偽物出品対策に11月から、スーパーコンピュータ「kukai」を活用したディープラーニングを導入。従来と比べ、偽物出品の検知精度が約3.1倍に向上すると見込んでいるという。 - 「LINEで偽ブランド取引」に対策 メルカリなどと連携
有名ブランドの模倣品を販売する業者などが、フリマアプリやネットオークションサイト上でLINE IDをやりとりしてLINE上で取引を行っているケースに対策。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.