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デジタルネイティブのためのフォントとデザイン:

工事中の駅の「フォント」を集めてみた (1/6)

駅の「仮設」デザインをコレクションしている筆者が、その意図を読み解く。

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 東京の鉄道施設がリニューアルラッシュを迎えている。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が近づいているからだ。その中で最大規模ともいえる再開発、渋谷スクランブルスクエアが2019年11月1日に開業すると、渋谷を拠点とする交通システムが大きく変貌することになる。渋谷だけではない。新橋駅も新宿駅も長い時間をかけて工事が続いており、いま首都圏はあちらこちらで公共インフラの工事中だ。

 今回のテーマは再開発関連でシステム化されたサイン計画に従ったフォントとデザインを取り上げる――ではなく「現場によるデザイン」ともいえる駅施設独自の仮設サインや案内板のフォントとデザインを観察してみたい。

 仮設のサインや案内版は現場での手作りと思えるものが多く、その多くがプロのデザイナーによるものではない。おそらく、Adobe CCやモリサワパスポート、フォントワークLETSといった環境もそろっておらず、多くがWindows 8以前の環境でプリインストールされたMicrosoft Officeのアプリケーションだけで制作されているのだろうと推測できる。その環境で出力をして駅構内に掲示するということは、工事中であっても利用者になるべく不便をかけまいとする努力の表れにほかならない。

渋谷スクランブルスクエアと多彩な仮設サイン

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 スクランブルスクエアのオープンに伴い駅構内の動線が整理された。このため渋谷SKYやビル内商業施設の誘導を含めた乗り換えサインがすでに掲示されている。スクランブルスクエアのデザインパターンを取り入れたサインは美しく、和文・英文のフォントサイズも適切でバランスが良い。しかしこのサインが設置されるまでは以下の写真にあるような仮設サインが各所で活躍することになった。

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スクランブルスクエア告知のためのポスター。この街区を実現するために長い時間を要した
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11月1日の正式オープンを待つスクランブルスクエアの入り口。既にプレス公開されているので、施設紹介の記事を目にした方もいるだろう
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工事がまだ続く渋谷駅では、このような仮設か本工事か判断しにくいサインも各所にみられる。壁の造作やプレートの貼り付け方をみると、短期の仮設ではないが、5年10年のスパンで掲示されるものではないように思われる
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新駅舎が完成するまでは、乗り換えの動線が非常に分かりづらい銀座線渋谷駅への案内サイン。これは仮設でありながら、地下鉄構内で使用するフォントやラインカラーに則っているので、担当デザイン部門による公式な仮設サインと思われる
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地下鉄からJR渋谷駅への乗り換え方面を占めるサイン。プリントされたものをパウチでラミネート加工しているので駅職員さんによる手製のサインかと思ったが、4カ国語の多言語表記をしてあり、矢印の扱いもサイン計画のデザイン手法を理解している形と配置なので、デザイナーの手による可能性が高い
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