ニュース
工事中の駅の「フォント」を集めてみた:デジタルネイティブのためのフォントとデザイン(2/6 ページ)
駅の「仮設」デザインをコレクションしている筆者が、その意図を読み解く。
工事中の駅構内はJRや銀座線から渋谷ヒカリエへのアクセスは分かりづらく感じていた。これはおそらく駅職員の方もしくは関係者の方による手作りの案内サインと推測できる。円柱の巻きつけ方がワイルドではあるが、PC環境の限られたフォント環境でよく目立つ適切な仮設サインとなっている。英文表記があればさらに良かった
「あれ? 字間のアキがバラバラでちゃんとカーニングしていないのかな」などと野暮なことは言わない。「ここの左階段を上ればヒカリエを経由して東急線と副都心線に乗り換えることができる」という情報をこのサインで十分に表すことができている。字間がバラバラなのは大判用紙でプリントができないために、A4用紙を切り貼りして繋ぎ合わせているから。ラインカラーはプリントしたあとに囲みをあしらったのだろう。こちらも先の写真と同様に、英文表記があればさらに良かった
渋谷駅を利用されている方には工事が始まって以来おなじみの仮設サイン。工事の進捗(しんちょく)によって通路の位置は頻繁に変更されてきたため、このエリアの仮設サインは黒字に白ヌキ文字をベースにラインカラーと路線アイコンを組み合わせるという手法で一貫している。このため、仮設であってもデザインのフォーマットが決まったサインとして継続して認識しやすい。工事当初は戸惑った方も多かっただろうが、サインを設置する位置やサイズなどは、利用者や現場の声を聞きながら改良を反映するといったように、仮設サインの効果測定を短いサイクルで積み重ねられたのではないだろうか
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.