Adobe、iPad版「Photoshop」「Illustrator」正式発表 その独自機能とは?(1/2 ページ)
米Adobe Systemsが、iPad版「Photoshop」「Illustrator」を正式発表した。価格やリリース時期などの詳細は「Adobe MAX 2019」(1〜6日)で明らかにする予定。いずれもiPad版独自の新機能を搭載する。
米Adobe Systemsは11月4日(現地時間)、iPad版「Photoshop」「Illustrator」を正式発表した。価格やリリース時期などの詳細は、開催中の年次カンファレンス「Adobe MAX 2019」(6日まで)で明らかにする予定。クリエイティブツールのサブスクリプションサービス「Adobe Creative Cloud」(Adobe CC)の新ツールとして追加する。
Adobeは現在、Adobe CCをより多様なシーンで使えるよう機能を強化している。iPad版の両ツールの提供により、「時間や場所を問わずコンテンツを制作したい」というクリエイターのニーズに対応する狙いがある。
iPad版Photoshopは、写真・画像の切り抜きや合成、色調の補正、レイヤーの編集、塗りつぶしツールやブラシツールを使った描画、テキストの挿入といった定番機能を搭載。各種操作には「Apple Pencil」を利用できる。
デスクトップ版に近いUI(ユーザーインタフェース)を採用。ワークスペースの左側には、投げ縄ツール、ブラシツール、塗りつぶしツール、スポイトツールなどの基本ツールを配置した。右側には、レイヤーのプロパティとカラーバランスの調整ツールを設けた。
iPad版独自の新機能として、タッチ操作で定型作業をショートカットできる「タッチショートカット」を搭載。ワークスペースに小さな円形のボタンを表示し、中心部をタップすると縦横比を拡大・縮小したり、画像を複製したりといった作業を自動で行える。外側をタップすると、ショートカットする作業を変更できる。
制作したコンテンツをクラウド上に保存し、他のユーザーや端末に共有できる機能「クラウドドキュメント」にも対応。デスクトップ版の編集作業の続きを、外出中にiPad版で行うことも可能だ。保存したファイルは、デスクトップ版のPSDファイルと完全な互換性を持つとしている。
人工知能「Adobe Sensei」を活用し、被写体の輪郭を正確に切り抜くこともできる。発表に先駆けて行われた記者向け説明会では、海中を泳ぐウミガメの写真からウミガメの部分だけを正確に切り抜き、別のサンゴ礁の写真に合成するデモが披露された。
ただリリース当初は、カラースウォッチ機能、曲線を調整する機能、カンバスを回転する機能、スマートオブジェクトなどは利用できない。準備でき次第リリースする予定という。
アドビシステムズ マーケティングマネージャの岩本崇氏は「1年の歳月をかけてクローズドβテストを行い、顧客からのフィードバックを踏まえて独自のUIを開発した」と強調した。
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