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スマートスピーカーが家の“番犬”に? 米国で劇的進化するAmazonとGoogleの音声アシスタント(2/3 ページ)

プライバシーを守るオンデバイスAI、ガス漏れ警報を「認識」するスマートスピーカー。AmazonとGoogleが開発している新機能はいずれ日本にもやってくるだろう。

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 二つ目は「プライバシー」だ。デバイス内処理の量を増やすことは、クラウドに残すデータを減らすことにもつながる。結果的にそれはプライバシー強化になる。この点はGoogleだけでなく、Appleも取り組んでいるアプローチである。

 オンデバイスAIについて、Amazonは現状、Googleほど前には進んでいない。ただしこれは、プライバシーを軽視しているからではない。「行動認識には結局クラウドが必要であり、ハイブリッドであることに変わりはない」(Amazon Devices シニア・バイスプレジデントのデイブ・リンプ氏)という判断からだ。

 余談だが、プライバシーという意味では、履歴の削除が簡単になっていることも指摘しておきたい。Amazon、Googleともに、音声アシスタントへと話しかけることで履歴を削除可能になっている。例えば「さっき話したことを忘れて」「今日の履歴を削除して」といった命令が可能になっているのだ。ただし、こちらはAlexaではすでに日本語でも導入済み。Googleアシスタントは、英語では可能になったものの、日本語ではまだ動いていない。履歴を単独でWebなどから削除することはこれまでもできていたのだが、それをもっと簡単にしたのである。

ガラス破壊音やガス漏れ警報を「認識」するスマートスピーカー

 ただし、オンデバイスAIについて、Amazonはちょっと違うアプローチで面白い機能を搭載している。「Alexa Guard」がそれだ。ただし現状、日本語では動作しない。


米国では今年の5月から導入されている「Alexa Guard」

 この機能は、自宅を出る時に、Alexaに「出掛けるよ」と声をかけることで働く。Alexa Guardモードに入ると、Alexaは「Alexa」というウェイクワード以外に、他の音も「待ち受ける」ようになる。通常音声アシスタントは、誤動作の防止とプライバシー保護のため、ウェイクワード以外には反応しないようになっているのだが、そこの考え方が変わる。

 何を待ち受けるのかというと、ガラスの破壊音などの「特徴的な異常を知らせる音」である。これはウェイクワードと同じく、クラウドでなくローカルで処理する「オンデバイスAI」で判断される。そして、状況をユーザーに知らせたり、家の物音を録音したり、セキュリティカメラを連動させたりするのだ。米国ではこうしたニーズが日本以上に高い。そこでAmazonは、監視カメラ「Ring」を拡販するとともに、Alexa Guardで連携を試みているのだ。


Google Awareの追加機能として、室内のスマートスピーカーを「不在時の監視機能」として使えるようになる。ただし現状、米国のみでのサービスだ

 実はGoogleも、同じような要素を2020年より導入する、と発表した。同社の監視カメラを使う「Google Aware」というサービスを使うことで、宅内のGoogleアシスタント対応スマートスピーカーが、家にいないときに犬の大きな鳴き声やガス漏れ警報器、煙感知器などのアラート音を認識し、自分のスマホに警告を送ってくれる。

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