ヤフーを傘下に持つZホールディングス(ZHD)とLINEは11月18日、経営統合について基本合意したと発表した。両グループの経営資源を集約して、AI、コマース、Fintechなどの事業を強化し、「日本とグローバルでの熾烈(しれつ)な競争を勝ち抜く企業グループへと飛躍を目指す」(両社)という。12月をめどに最終契約を結び、2020年10月までに統合する予定。
ZHDの親会社ソフトバンクとLINEの親会社である韓国NAVERは、共同公開買い付け(TOB)を実施し、LINEの全株式を取得。その後、両社のLINEへの出資比率が50:50(議決権ベース)になるよう取引を行う。その上で、LINEがZHDを子会社化。ZHDの下にはヤフーと並んで、現在のLINEの事業を承継する新設子会社をぶら下げる。LINEは上場廃止となる見通し。
経営統合によって(1)ビッグデータを活用したマーケティング事業の強化、(2)LINEのコミュニケーションアプリからヤフーのECサイトへの送客、(3)PayPay、LINE Payなど決済サービスでのユーザーと加盟店の拡大、(4)システムの開発人員の拡大、ノウハウの共有──といった効果を見込む。
ZHDとLINEは18日午後5時から都内で記者会見を開く。会見には、ZHDの川邊健太郎社長、LINEの出澤剛社長が出席する。
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