学費無料・24時間体制のエンジニア学校「42Tokyo」、対象年齢を18歳以上に引き上げ 青少年保護育成条例に配慮
2020年4月に開校予定のITエンジニア養成学校「42 Tokyo」の運営事務局が、入学試験に出願できる生徒の年齢を16歳以上から18歳以上に変更した。同校は校舎を24時間365日開放する予定だが、18歳未満の青少年が24時間営業の施設に出入りすることは都の条例で制限されている。これに配慮した判断という。
2020年4月に開校予定のITエンジニア養成学校「42 Tokyo」(東京・六本木)の運営事務局はこのほど、入学試験に出願できる生徒の年齢を16歳以上から18歳以上に変更すると発表した。同校は校舎を24時間365日開放する予定だが、18歳未満が24時間営業の施設に出入りすることは東京都の条例で制限されている。これに配慮した判断という。
42 Tokyoは、フランス発のITエンジニア養成学校「42」の日本支部で、DMM.comが運営を担当する。学費が無料で、校舎を常時開放している他、講義を行わず、学期や卒業の概念もないのが特徴。学校側は課題のみ提供し、学生はお互いにコードをレビューしながら成長を目指すシステムだ。設立は11月中旬で、2020年1〜3月に入学試験を行う予定。
当初は法定代理人の同意書があれば、16〜17歳の出願・入学を認める方針だった。だが、運営側が開校後の体制を検証する中で、「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の順守との両立は難しいと判断した。
同条例は、18歳未満の青少年が24時間営業の施設に出入りすることを制限している。そのため、16歳以上の受験生が合格・入学した場合、42 Tokyoは16〜17歳の生徒を早い時間帯に帰宅するよう監督・指導しなければならない。
こうした指導体制の構築・運用に対して懸念が生じた他、同校の自由なプログラムを16〜17歳の生徒にのみ提供できないことから、対象年齢の引き上げを決めたとしている。
現在17歳で、入試の前に18歳になる人は入試を受験できる。入試ではWebテストの他、「4週間、昼夜続くテストを行う」予定で、現時点で全日程が満員となっている。
開校後、入試を突破した生徒はレベル別に分かれ、関心がある分野の課題を自主的に進める。課題のジャンルは、データサイエンスやインフラ、セキュリティなど多岐にわたる。学生はWeb検索などで情報を調べつつ、他の学生とアドバイスし合いながらコーディングを行っていくという。
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