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「何もかも変わった」――AIで若手棋士が超進化、いま囲碁界で何が起きているのか(4/4 ページ)
若手棋士の快進撃が続く日本の囲碁界。その裏にはAIの存在があるという。普段からAIをよく使うというプロ棋士に聞いた。
11月にプロ棋士を引退した李世ドルさんは、囲碁AIに勝てないことが引退の一因だったことを明かしている。李さんは世界のトップ棋士で、16年に米Google傘下DeepMindが開発した「AlphaGo」と対戦し、大きな注目を集めた。
李さんとほぼ同年代の大橋さんは、16年当時に大きな衝撃を受けた。
「当時は韓国の棋士が圧倒的に強くて、その頂点が世ドルさんだったんです。あんな強い人にどう勝てばいいのか分からないと日本の棋士は頭を抱えていたのにあっさりAlphaGoに負けてしまったので、その衝撃は相当なものでした」(大橋さん)
業界を揺るがすほどのインパクトだったためか、大橋さんと同じかそれより上の世代は、「AIは特別なもの」という意識が根強いという。一方で、当時プロ1年目だった上野さんはこの出来事をあまり特別視しておらず、AIについても「いつの間にか使っていました」というほど身近なものになっている。「私はAIを使うのが楽しいですし、AIが出てきて良かったなと思います」(上野さん)
AIの登場で引退を決めた棋士がいる一方で、楽しみながらAIを使いこなす棋士や、AIと距離を置いて我が道を行く棋士もいる。AIという強力な武器を手にした若手棋士を、ベテラン棋士が今後どうさばいていくのか――。
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