「1億画素のスマホカメラ」に意味はあるか Xiaomi「Mi Note 10」の実力をチェック(1/4 ページ)
SamsungとXiaomiが共同開発した、1億画素のイメージセンサー「Samsung ISOCELL Bright HMX」を搭載したスマホ「Mi Note 10」で、スマホ向け1億画素撮影の実力を調べた。
2019年のスマホの進化というと、まず挙がるのは「折りたたみスマホ」だろう。中国Royoleの「FlexPai」、韓国Samsung Electronicsの「Galaxy Fold」、中国Huaweiの「Huawei Mate X」などが発売された一年だった。
スマートフォンの主な部品やOSが成熟し、差別化が難しくなる中で、折りたたみスマホのような新しいフォームファクタを試行錯誤するのは当然の流れといえるが、そんな中でも革新があったパーツがカメラだ。
韓国Samsung Electronicsが8月に発表したイメージセンサー「Samsung ISOCELL Bright HMX」(以下、Bright HMX)は、スマートフォン向けにもかかわらず1億800万画素という膨大な画素を搭載した。センサーサイズは1/1.33インチで、高級コンデジに搭載されるような1インチセンサーに迫る大きさであることを考えると、スマホ向けとしては巨大なセンサーだと分かる(かつてのNokia製Windows Phone「Lumia 1020」でも1/1.7インチ4100万画素だった)。
筆者が意外と思ったのは、ここに来て一部のスマホメーカーで高画素競争が再燃しつつあることだ。というのも、Apple「iPhone 11 Pro」やGoogle「Pixel 4」といった代表的な最新機種のカメラは1200万〜1600万画素程度に抑えられており、そもそもセンサーサイズも大きくない。Samsung「Galaxy S10」のカメラも同様のレンジだ。
むしろ現在のアプローチは、複数のカメラモジュールを搭載して複数の画角を撮影することや、カメラの視差による被写界深度測定を生かしたボケ表現を作ることが主流だといえる。
しかし複眼カメラであっても高画素化を追う流れはあるようで、19年にはBright HMXの他にも、「Huawei P30/P30 Pro」に搭載された1/1.7インチ4000万画素センサーや、「Oppo Reno 10x Zoom」に搭載された1/2インチ4800万画素センサーなどが現れた。前者はHuaweiとソニーの共同開発で、後者は純粋なソニー製イメージセンサー「IMX586」だ。
Huawei P30もOppo Reno 10x Zoomも、メインの広角カメラに大型・高画素なセンサーを搭載して画質を上げようという考えのようだ。
そんな中、Bright HMXをSamsungと共同開発した中国Xiaomiは、Bright HMXをメインカメラセンサーに採用し、5眼の背面カメラを搭載した「Mi Note 10」を投入した。流れとしてはHuawei P30やOppo Reno 10x Zoomなどの系譜に連なるといえるだろう。
1億画素というと、本格的な一眼カメラでも富士フイルムの「GFX100」など、ごく一部の中判以上のセンサーにしか搭載されていない。
スマートフォン向けの小さなセンサーに、1億もの画素数を搭載する意味はあるのか。Mi Note 10の実機で撮影し、その実力を確かめた。なお、今回は通販サイトのGearbestから機材の提供を受けている。海外版で技適を取得していない個体のため、「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」に従い総務省に届け出を行った。
Bright HMXとMi Note 10のスペック
まずはハードウェアスペックをさらっていこう。
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