高齢者の3割がキャッシュレス決済利用 政府の還元制度は「分からない」9割
高齢者の約3割がキャッシュレス決済を利用しており、そのうち半数がクレジットカードで決済していることが、モズエンタープライズの調査結果で分かった。QRコード決済などを利用する人は1割にとどまった。
高齢者の約3割がキャッシュレス決済を利用しており、そのうち半数がクレジットカードで決済している──営業支援システムを展開するモズエンタープライズが12月27日、そんな調査結果を発表した。PayPayやLINE Payなど「Pay系サービス」やQRコード決済の利用は約1割にとどまった。
60歳以上の男女に普段の生活でキャッシュレス決済を利用するか聞いたところ、74%が「利用していない」と回答。日常的にキャッシュレス決済を利用する高齢者は3割にとどまった。そのうち、55%が「クレジットカード」で決済していると答えた。次に「電子マネー」(25%)、「Payサービス」(7%)、「QR、バーコード決済」(6%)が続く。
PayPayやLINE Payなど各社がユーザー数拡大に向けた施策として大型還元キャンペーンを実施したが、シニア層への普及はまだ進んでいないようだ。
また、経済産業省が主導するポイント還元制度「キャッシュレス・消費者還元事業」について「知っている」と答えた人はわずか10%だった。「知らない」(58%)、「聞いたことはあるが内容はわからない」(32%)という回答が多く、まだまだ認知度は低い。
同省の調査によると、2015年の世界におけるキャッシュレス決済比率は、各国が40〜60%台の中で日本は18.4%にとどまっていた。
モズエンタープライズは「国がキャッシュレス化を推進する中、現金離れの遅れが懸念されていたシニア層もキャッシュレス化が加速している。スマートフォンやインターネットに不慣れな高齢者が取り残されないような対応が求めれる」としている。
調査は12月25日、60歳以上の男女1万人を対象に電話で実施した。
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