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“フォント好き”なら絶対楽しめる台湾の旅(後編):【最終回】デジタルネイティブのためのフォントとデザイン(9/9 ページ)
いよいよ連載も最終回。どこか懐かしい、台湾の旅の後編です。
北投・淡水エリアのフォントとデザイン
最後に紹介するこのエリアも2018年春に訪問した北投(べいとう)と淡水にある台北市立図書館北投分館や市民の気軽なレジャーと憩いのスポットである淡水駅近辺は、どこか懐かしくてほっとするフォントとデザインで満たされている。
淡水信義線の北投駅で下車すると、台北中心部のにぎやかさから少し離れた落ち着きのあるエリアとなる。温泉施設や木造建築の有名な図書館もある駅前の広場はゆったりしていて、商業ビルのフォントやサインも少し控えめだ
2006年に竣工した台北市立図書館北投分館は北投駅から徒歩数分にある3階建ての大きな木造建築。図書館内は許可をとっていなかったので撮影はできなかったが、台北市民がこの施設をとても愛しているのがよく分かった。デッキで読書をしたり、豊かな木の内装に包まれた閲覧室で本を読めば、フォント好きな方はもちろんのこと、台湾の文化を書籍や文献で知りたい方には最高の場所だ。時間が許せば一日中北京語の本を読んでいても飽きない
淡水信義線の車両内に掲示されていた、車椅子の方へのサポートと配慮を促す側面広告。この麻吉猫という公式ゆるキャラがとてもかわいいので、積極的に車椅子の方へのサポートをしたくなる気持ちになる、良い「ゆるフォント使いとゆるキャラ」だ
淡水川の河口から海辺のフェリー埠頭にかけては公園が整備されており、屋台やお土産物屋さんが並ぶ。イカをはじめとした海鮮のフライは観光名物のようで、中英日韓の4カ国語で表記されていた。お土産物屋のひなびた雰囲気は昭和時代の熱海や箱根の出店のようで郷愁をそそる
12カ月の旅の終わりに
身近な海外旅行体験先の一つである台湾は、フォントとデザインに興味のある方なら探索の楽しみが大きい場所だ。筆者の台湾旅行は過去数回しかないので東海岸や内陸部の事情までは体験がない。機会を見つけて未体験エリアの探索を続けてみたい。
この連載は、デザイナーやタイポグラファーの方々のようなプロフェッショナルに向けた専門的な内容ではなく、どんな方でも日常的な生活の視点でフォントやデザインの在り方や将来を考えるきっかけになって欲しいと願ってスタートした。
その中で私自身が感じたのは、フォントを軸としたデザインのことを興味を持って真剣に考える人が増えれば、読みづらい、使いづらい、間違いだらけの恥ずかしい英文表記といった問題点が良い方向への改善へと向かうのではないかということだ。そのことにわずかでも貢献できたのであれば、筆者としてこれ以上の喜びはない。
フォントとデザインの旅はひとまずここで終了。最終回までお読みいただいた読者の方々に感謝を申し上げます。
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