竹書房、米Cloudflareを提訴 海賊版サイト巡り、損害賠償とデータ削除求める
竹書房がCDN事業者の米Cloudflareを提訴。海賊版サイトの運営者が違法にアップロードした漫画などのデータをサーバ上から削除しなかったとして、損害賠償とデータの削除を求める訴訟を起こした。
海賊版サイトの運営者が違法にアップロードした漫画などのデータをサーバ上から削除しなかったとして、出版社の竹書房がCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)事業者の米Cloudflareに対し、損害賠償とデータの削除を求める訴訟を、東京地裁で2019年12月20日に起こした。竹書房が1月7日に発表した。
CloudflareなどのCDN事業者は、配信元のサーバデータをキャッシュデータとして一時的に複製・保存し、配信元へのアクセス集中を緩和している。多くの海賊版サイトはこの仕組みを利用し、コンテンツを配信している。
こうした状況を受け、竹書房はCloudflareに対し、違法にアップロードされた漫画などのデータをサーバ上から削除するよう要請したという。しかしCloudflareが対応しなかったため、今回の訴訟に至ったとしている。
訴訟は、竹書房のWebサイト「WEBコミックガンマ」に「どるから」を連載中の漫画家・ハナムラさんと共同で起こした。竹書房は、Cloudflareに要求する損害賠償は最低限にとどめ、「著作権侵害を容易に行えなくする環境整備への道筋となる判決を強く望む」としている。
竹書房は「本来、サーバの提供などは、著作権を直接侵害する行為ではないと判断しているが、(Cloudflareが)著作権侵害者に対してサービスを与えることで、簡易かつ大規模に著作権侵害を行える環境を提供していることもまた事実だ」と指摘。
Cloudflareに対し、アップロードされたデータが適法かどうかをチェックし、違法なコンテンツがアップロードされた場合は、著作権侵害の通知を受け次第、速やかに削除する──という体制を整えるよう求めている。
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