AWS Backupに新機能 EC2インスタンスをEBSごとバックアップ/リストア可能に クロスリージョンにも対応
AWSが、バックアップの運用を一元化し、集中管理できるマネージドサービス「AWS Backup」の新機能を発表。EC2インスタンスを丸ごとバックアップ/リストアできる機能などが含まれる。堅牢な企業向けシステムをAWSで構築しようとするときに重宝する機能だといえそうだ。
この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「AWS Backupに新機能。EC2インスタンスをEBSごとバックアップ/リストア可能に。クロスリージョンにも対応」(2020年1月15日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
Amazon Web Services(AWS)はこのほど、バックアップの運用を一元化し、集中管理できるマネージドサービス「AWS Backup」の新機能を発表しました。
新機能の1つ目は、EC2インスタンスそのものを丸ごとバックアップ/リストア機能。2つ目はバックアップした内容を別のリージョンへコピーする機能。3つ目はAmazon EFS(Elastic File System)のバックアップファイルの中から、任意の1ファイルを取り出してリストアする機能です。
マシンイメージと属性、EBSを丸ごとバックアップ
新機能の中で注目すべきはEC2インスタンスを丸ごとバックアップ/リストアできる機能でしょう。
この機能はEC2インスタンスに使われているマシンイメージだけでなく、設定されているマシンタイプ、VPC、IAMロールなどほとんどすべての属性と、アタッチされているすべてのEBSボリュームをまとめてバックアップできます。
そしてそのバックアップをリストアすれば、属性とEBSボリュームも同時に復元されるのです。
AWSブログの記事「AWS Backup: EC2 Instances, EFS Single File Restore, and Cross-Region Backup」から引用します。
When you back up an EC2 instance, AWS Backup will protect all EBS volumes attached to the instance, and it will attach them to an AMI that stores all parameters from the original EC2 instance except for two (Elastic Inference Accelerator and user data script).
EC2インスタンスのバックアップ時には、AWS BackupはそのインスタンスにアタッチされていたすべてのEBSボリュームをプロテクトし、2つ(Elastic Inference Acceleratorとユーザーデータスクリプト)を除くオリジナルのEC2インスタンスに関連するすべてのパラメータをAMI(Amazon Machine Image)にアタッチする。
Once the backup is complete, you can easily restore the full instance using the console, API, or AWS Command Line Interface (CLI). You will be able to restore and edit all parameters using the API or AWS Command Line Interface (CLI), and in the console, you will be able to restore and edit 16 parameters from your original EC2 instance.
バックアップ完了後は、コンソールやAPI、AWS CLIから簡単にインスタンス全体をリストアできる。
以下の画像がバックアップ操作時の画面です。
バックアップを別リージョンにコピーできる「Cross-region Backup」機能は、オンデマンドでいつでも実行できるほか、バックアップ計画を設定する際に自動的に実行させることも可能。
Amazon EFS(Elastic File System)のバックアップファイルの中から、任意の1ファイルを取り出してリストアする機能は、もとのファイルシステム内に復元することも、別のファイルシステムに保存することも可能です。
3つの新機能は、いずれも堅牢な企業向けシステムをAWSで構築しようとするときに重宝する機能だといえそうです。
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